2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770680
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
栗本 義彦 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00332916)
|
Keywords | 同種大動脈移植 / 凍結保存 / グラフト拒絶 |
Research Abstract |
LewisラットからBrown Norwayラット(isograft群ではLewisラット)への大動脈移植モデルを作成し、凍結保存大動脈グラフト移植後における詳細な組織学的検討を施行してきた。グラフトにより新鮮摘出後(fresh)、凍結保存(cryo)、自家移植(iso)、同種移植(allo)の組み合わせにより4群(fresh iso,fresh allo,cryo iso,fresh allo)に分けて移植後の大動脈グラフトの組織変化を検討した。光学顕微鏡による移植後28日以降の大動脈の内膜肥厚の程度の検索では、内膜肥厚がほとんど見られないfresh iso群にくらべて、他の3群ではcryo iso群がやや程度が少ないものの、中程度の内膜肥厚が認められた。凍結大動脈グラフトの処理保存過程で、ある程度の機械的な内膜に対するinjuryが起き、それが移植による免疫反応のよる内膜肥厚と同様な反応を引き起こしている可能性も考えられる。現在、LewisラットおよびBrown Norwayラットそれぞれの種を染め分けることが可能な抗体を用いて免疫染色を行い、内膜肥厚をかたちづくっている内皮細胞がdonor由来なのかrecipient由来なのかを検索するべく研究作業を引き続き行っているところである。今年度は、研究の主目的である免疫抑制剤を用いることにより凍結保存大動脈グラフト劣化が抑制されることを証明していく。
|