2002 Fiscal Year Annual Research Report
肺移植後拒絶反応に対するT細胞副刺激シグナル抑制による免疫寛容誘導に関する研究
Project/Area Number |
14770684
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神山 育男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70317147)
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Keywords | 肺移植 / T細胞副刺激シグナル抑制 / 免疫寛容誘導 / ラット肺移植モデル / 経気管支マイクロサンプリング法 |
Research Abstract |
肺移植後の拒絶反応を測定する方法として経気管支マイクロサンプリング法(BMS)を用いる. マイクロサンプリング法は気管支鏡下に気道上皮被覆液を採取出来る方法で,TBLBやBALでは不可能な経時的な気道内の変化が観察でき,比較的非侵襲的に移植肺の状態をモニターできる方法と考えられる.肺移植後の移植肺の状態を非侵襲的かつ経時的に測定することが出来れば非常に有用であると考えた。 ラットモデルにおいてBMSによる測定法は確立されていないため,エンドトキシンによる急性肺障害モデルを作成し,BMSの妥当性を検討した. 【方法】Lewis ratを全身麻酔下に人工呼吸器管理とし,エンドトキシン(LPS)を経気管支投与.投与前,投与後1時間,3時間に(BMS)にてELFを採取,ELF中のTNF-alpha濃度をELISAで測定.生理食塩水を投与した群(コントロール群)と比較した. 【結果】LPS群のELF中濃度はpre,1h,3hでそれぞれ4.28±1.88,3.60±1.30,7.60±5.17であった.コントロール群では6.86±2.60,3.24±1.77,5.69±1.71であり,BALで得られる結果と同様の傾向があった. 【まとめ】経気管支マイクロサンプリング法はラットモデルにおいてELF中のサイトカインの測定が可能と思われた. ラット肺移植モデルを用いてマイクロサンプリング法による移植後拒絶反応の診断における有用性を検討中である. 今後T細胞副刺激シグナル抑制による免疫寛容誘導に関してマイクロサンプリング法を用いて測定する予定である.
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