2002 Fiscal Year Annual Research Report
虚血耐性の機序解明に基づく、虚血性神経細胞障害の新たな治療法開発の試み
Project/Area Number |
14770704
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鳥山 英之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20334435)
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Keywords | 脳虚血 / 虚血耐性 / Caイメージング / 海馬 / スライス標本 |
Research Abstract |
1)虚血耐性モデル作成 虚血耐性モデル作成時に使用する動物手術麻酔器具及びCaイメージング装置等の設備は、これまでマウス海馬スライスの虚血時Caイメージングで使用してきたものを使用した。 虚血耐性モデルとしては、既に報告のある砂ネズミを使用した。両側総頸動脈を2分間閉塞させて軽度虚血を負荷し、虚血耐性を獲得させた。安定した虚血負荷が出来ているかを検証するために、脳梗塞に至るまで閉塞時間を延長させて、TTC染色等で組織学的に確認した。 2)海馬スライス作成 手術より2日後に脳を摘出して海馬スライスを作成し、虚血負荷時のCaイメージングを行う。海馬スライス作成は、これまでマウスの海馬スライス作成に用いてきた装置等を使用した。 3)Caイメージング Caイメージングはこれまでマウス海馬スライスで行ってきた方法と同様に行った。コントロール目的で未処置の海馬スライスを用いて、虚血負荷時のCaイメージングを行い、実験系が問題ないことを確認した。 続いて、虚血耐性獲得群とコントロール群(閉塞無し)のそれそれの虚血負荷時のCaイメージングを行い、既に報告のある虚血耐性獲得時の神経細胞内Ca^<2+>上昇抑制を確認し、実験系の信頼性を検証する。現在、この過程を行っている。 今後、薬理学的手法により神経細胞内Ca^<2+>上昇抑制のメカニズムを検討する予定であり、電位依存性Ca^<2+>チャネルやNMDA型グルタミン酸受容体、細胞内におけるイノシトール3リン酸受容体やリアノジン受容体に対する特異的拮抗薬を単剤及び複数組み合わせて使用しながら、虚血時の細胞内Ca^<2+>上昇の変化を虚血耐性獲得群とコントロール群で比較検討し、虚血耐性獲得時の神経細胞内Ca^<2+>上昇抑制において、どの流入経路が変化しているかを検討する予定である。
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