2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経上皮型幹細胞のドーパミン作動性神経細胞への分化誘導とパーキンソン病脳への移植
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14770720
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金井 隆一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50327532)
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Keywords | neuroepithelial stem cell / Sonic hedgehog / FGF8 / bFGF responsive neurosphere / transplantation |
Research Abstract |
1)帝王切開により摘出した胎生10.5日目ウィスターラットから、実体顕微鏡下に神経上皮型幹細胞(Neuroepithelial stem cell)で構成される中脳胞部神経板組織(Neural plate)を分離。摘出したNeural plateを線維芽細胞増殖因子(bFGF)存在下に浮遊培養を行い、神経塊(bFGF responsive neurosphere)を得た。第7日目に神経塊を接着条件に移し、Sonic hedgehog(Shh)および線維芽細胞増殖因子8(FGF8)添加、血清添加にて細胞培養した。接着培養第3日目に、TuJ-1染色、tyrosine hydroxylase(TH)染色を行い、neuron及びTHの発現につき免疫組織学的検討を行ったが、現在の処、ShhおよびFGF8添加群と血清添加群との間にTH発現に関して明らかな有意差を認めていない。細胞栄養因子の添加時期や添加量等、少ない修飾操作にてTH陽性細胞を最も分化誘導することが可能な培養条件を検討中である。 2)分化誘導神経塊を神経移植ドナーとして用いる前段階として、Neural plate、bFGF responsive neurosphereを定位的に雌性ウィスターラットおよび雌性パーキンソン病モデルラットの脳内(線条体)に移植を行っている。移植後2週、4週、6週、8週に施行したアンフェタミン誘発回転運動による行動学的検討では、Neural plate群は4週後までに回転運動減少を認める傾向にあった。またTH染色よる脳組織切片の免疫組織学的検討では、Neural plate群は移植片内にTH陽性細胞を認めたが、neurosphere群では認めていない。また、移植環境の差異による移植片への影響をみるため、Neural plate内のTH陽性細胞数等を正常脳と疾病モデル脳にて検討を行っている。
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