2002 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝におけるリン酸代謝関連遺伝子ヌクレオチドピロフォスファターゼに関する研究
Project/Area Number |
14770731
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中村 功 信州大学, 医学部付属病院, 助手 (20334906)
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Keywords | NPPS / OPLL / 転写活性 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
我々は以前、OPLLのモデルマウスであるttwマウスの遺伝子解析を行い、その原因がmouse nucleotide pyrophosphtase(Npps)の変異にあることを明らかにした。そして、更に、ヒトOPLL患者において、human NPPS遺伝子の変異を検索し、遺伝子多型IVS20-11(delT)とOPLL発症との間に有意な相関であることを既に報告している。このような経過から、nucleotide pyrophosphtaseが異所性の靱帯骨化や骨代謝に関与することは明らかであるが、そのメカニズムについては現在でも不明な点が多いため、その詳細について検討する目的で、現在、研究を行っている。 具体的には、nucleotide pyrophosphataseがどのようなメカニズムで、OPLL発症のリスクを増加させているかを明らかにするために、nucleotide pyrophosphataseがvitroでどのような作用を持つか、vivoにおいては骨代謝の亢進、低下においてどのような傾向があるか検討することを目的とした。vitroの実験としては、現在までに、human NPPS遺伝子のpromoter領域約1Kbを転写活性性解析用のプラスミド(pGL3、Promega社)に組み込んだものを作製し、更に、これを基にして、約1Kb〜約50b間での様々なdeletion constructを作製した。今後は、これらのプラスミドを骨芽細胞系及び破骨細胞系の細胞にtransfectionし、骨形成促進物質や抑制物質投与下でのhuman NPPS遺伝子の転写活性について検討する予定である。vivoの実験としては、human NPPS遺伝子多型を検討する為に、OPLL患者の母集団を更に増やすことを目的として、患者DNAの収集を行っている。
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