2002 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療工学による人工神経を用いた末梢神経欠損部の修復に関する実験的研究
Project/Area Number |
14770743
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高松 聖仁 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30295688)
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Keywords | 末梢神経 / 再生 / 再生医療 / 生体呼吸性材料 / 組織工学 / Drug Delivery System / 人工神経 |
Research Abstract |
平成14年度-生体吸収性の組成に関する基礎的研究- 前述のように、神経の修復における人工神経に求められる生体吸収材料の条件は以下のようになると考えられる。すなわち理想の神経補填材料の要素として (1)生体親和性が高く再生神経線維のcontact guidanceとなりえる (2)神経導管として一定の強度を有し管腔構造を維持できる (3)神経再生に関する神経栄養因子もしくは物質を供給できる (4)最終的には生体内で吸収され再生した神経を圧迫したり、血行を阻害したりしない (5)神経再生に有利な細胞が生着できる といった要素を兼ね備えていることが必要と考える。このうちまず(2)〜(4)の条件についてこれらを満たす生体吸収性材料について検討を加えた。 【方法】生体吸収性チューブはPL(LA/CL)(50%/50%)で筒状のものを作成しさらにその外周をPLLAのメッシュで補強した。さらにチューブの内腔をtypeIおよびIV collagenでコーティングしたものを作成し、これらの組み合わせにより以下のチューブを作成した。 (1)PL(LA/CL)(50%/50%)チューブ、(2)typeI collagenで内面をコーティングしたPL(LA/CL)(50%/50%)チューブ、(3)typeIV collagenで内面をコーティングしたPL(LA/CL)(50%/50%)チューブ (4)typeIおよびIV collagenで内面をコーティングしたPL(LA/CL)(50%/50%)チューブ そしてこれらのチューブをwhister系ラットの背部皮下にこれを包埋した。 包埋後6週、12週、48週でチューブを採取し、肉眼的にチュープの管腔構造が保たれているか評価した。ついで横断切片を作製しこの切片について、生体吸収性チュープに対する炎症反応、細胞浸潤そしてチューブ壁の吸収について光学顕微鏡(現有設備)および走査電子顕微鏡(現有設備)で評価を行った。 【結果】<形態的検討>tubeの管腔構造は12週までの全期間を通じて維持されていた。また、柔軟性は4週までは良好であったが、8週以降でやや易損性が認められた。しかし、12週においても柔軟性は保たれていた。しかし、48週例においてtubeはほぼ吸収され瘢痕状となっていた。 <組織学的検討>組織学的には8週以降で内層と主に外層の一部に多核細胞を認めた。また4、8、12週において内層は徐々に吸収されていたが外層は保たれていた。しかし、48週例においては内外層ともポリマーは吸収され非常に疎な結合組織だけが残存していた。
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Research Products
(2 results)