2004 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療工学による人工神経を用いた末梢神経欠損部の修復に関する実験的研究
Project/Area Number |
14770743
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高松 聖仁 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30295688)
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Keywords | 末梢神経 / 神経再生 / 人工神経 / 生体吸収性材料 / 再生医療 / 組織工学 / シュワン細胞 |
Research Abstract |
本年度(〜平成17年3月31日)の研究実施計画 本年度は昨年度に検討を加えたポリマーチューブを用いて、臨床上よく遭遇する欠損を伴う神経の修復ができるかどうか検討を加える。特に通常の検討に加えて、tissue engineeringの技術を用い細胞を付加したチューブを作成し検討を行った。 -シュワン細胞培養生体吸収性チューブの作成- <方法> 生体吸収性チューブは基礎的研究で検討を加えたPLLA/PC(50%/50%)で作製する。内径は2mm、外径は3mmとし、内層をPLLA/PCのスポンジ状構造とし、その内層の周囲をPLLAのmultifilament fiber meshで補強した。 まず新生児ラットの後根神経節より採取したシュワン細胞を2週間培養し、生体吸収性チューブ内に播種する。その後さらに二週間にわたって培養しシュワン細胞播種生体吸収性チューブを作成する。これをWistar系ratの坐骨神経に作成した12mmの神経欠損に移植し12週後にチューブ及び坐骨神経を採取し再生神経について組織学的に検討を加えた。 なおコントロールとしては、シュワン細胞を付加しないチューブとした。 <結果> チューブを採取しその中央で横断切片を作成した。HE染色およびトルイジンブルー染色を行い新生血管数および計測した結果、コントロール群であるシュワン細胞を付加しない群に比べてシュワン細胞を付加した群においては明らかに有意な神経再生と、血管増生を認めた。 <結語> tissue engineeringの技術を用いシュワン細胞を付加したチューブは神経再生に有効な手段であり、将来神経損傷の治療の有望な方法となりうると考えられた。
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Research Products
(1 results)