2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経系培養細胞SH-SY5Yに発現するオピオイド受容体μ2サブタイプの本態の解明
Project/Area Number |
14770768
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
正田 丈裕 京都大学, 医学研究科, 助手 (60335263)
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Keywords | μオピオイド受容体 / SH-SY5Y / splice variant / oligomer |
Research Abstract |
異なる種類のG蛋白共役受容体がoligomerを形成してその特性を変化させることが報告されているが、1種類の受容体のsplice Variantが細胞に共発現して新たな特性を獲得する可能性については検討されていない。本研究では、μオピオイド受容体のsplice variant同志がoligomerを形成し、その薬理学的特性を変化させる可能性を検討することを目的とした。 ヒトμオピオイド受容体の2つのsplice variant、MOR1とMOR1AのPCRプライマーを作製し、神経由来培養細胞SH-SY5Yから抽出したTotal RNAを鋳型としてRT-PCRを行なった。その結果、SH-SY5YにはMOR1とMOR1AのmRNAが存在する事を明らかにした。さらに、MOR1、MOR1AのcDNAをクローニングし、発現ベクターに組込み、それらを細胞に発現させると、それぞれμオピオイド受容体の特異的アゴニストDAMGOに高い親和性を有することを明らかにした。 MOR1とMOR1Aを区別する抗体は手に入らないので、異なるエピトープタグ(HA-tagとFLAG-tag)をアミノ末端に結合させたconstructをPCRによって作製した。MOR1、MOR1Aが分子レベルで結合しているか(hetero-oligomerを形成しているか)を検討するため、培養細胞HEK293に共発現して、免疫沈降-イムノブロット分析を行った。その結果、両分子が結合している証拠は得られなかった。 MOR1のsplice variant、MOR1B、1C、1Dは生体内でその分布を異にするという報告があり、splice variantどうしが同じ細胞に存在することは知られていない。今後は、MOR1とMOR1Aの生体内分布をin situ hybridizationあるいはimmunohistochemistry等で検討したい。
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