2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染における熱ショック蛋白質の抗ウイルス活性・宿主遺伝子発現に関する検討
Project/Area Number |
14770779
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
鵜島 雅子 大分大学, 医学部, 助手 (90336256)
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Keywords | geranyl geranyl acetone / 熱ショック蛋白質 / influenza virus / PR8 / MxA |
Research Abstract |
Geranyl geranyl acetone (GGA)には強力な熱ショック蛋白質(HSP)誘導能のあることが近年知られてきた。そこでGGAによりHSPを誘導し、これがインフルエンザウイルス感染に対して防御作用を有するか否かについて検討した。インフルエンザウイルスとしてはPR8を用いた。GGA投与によりBalb/CマウスへのPR8感染数は用量依存的に減少してきた。また感染時のマウスのPR8感染による体重減少も抑制することができた。肺組織においてもPR8感染に伴う肺の炎症像はGGAの用量依存的に改善することができた。したがってGGAの用量を増すことでPR8インフルエンザウイルスのマウスへの感染は抑制できることが判明した。さらにGGAの投与を受けたマウスでは用量依存的に肺組織でのHSP70の発現が亢進していることがmRNAレベルと蛋白質レベルで確認できた。In vitroにおいてもヒト肺胞上皮細胞であるA549細胞を用いて検討を加えた。GGAは10^<-4>から10^<-7>Mの濃度においてHSP70の誘導がかのうであった。またA549細胞にPR8を感染させた場合GGA処理を行うことでウイルス蛋白であるHA, NPの発現は減少しHSP70の発現が亢進することが判明した。またGGAは抗ウイルス蛋白であるMxAもHSP70同様に誘導可能であることが判明した。したがってGGA処理を行うことでHSP70を誘導し、ウイルス感染を防止する機序と直接的に抗ウイルス蛋白であるMxAも誘導され2つの機序により抗ウイルス作用が発現されたと考えられる。
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