2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770780
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
白阪 哲朗 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00274788)
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Keywords | プロポフオール / 脳スライス / 視床下部室傍核 / パッチクランプ法 / GABA / Cl電流 |
Research Abstract |
静脈麻酔薬であるプロポフォールの視床下部室傍核ニューロンの膜電流に及ぼす影響を調べた。プロポフォール(100nM-100μM)を視床下部室傍核ニューロンに灌流すると1μM以上の濃度で下向きの電流を認めた。電流の振幅の大きさは、1μMの濃度で57.8±26.1pA(n=12)、10μMで334±177pA(n=12)、100μMで793±211.6pA(n=12)と濃度依存性に増大した。次にその電流を生じるイオンを調べるために電流-電圧関係をramp pulse(-80 -+20mV,200ms)を加えて調べた。プロポフォール惹起電流の平衡電位は0.09±2.24mV(n=10)で、GABA惹起電流の平衡電位(0.71±2.39mV, n=6)に近似していた。電極内液の主なanionをmethansulfonateに変えると平衡電位が-38.45±3.62mV(n=10)だった。ネルンストの式から求めた電極内液がCsClとCs-methansulfonateの場合のそれぞれの平衡電位は-2.14mVと-41.3mVだった。これらよりプロポフォールの惹起した電流はClイオン単独によるものであることが示唆された。さらにプロポフォール惹起電流(100μM;793±211.6pA, n=8)は、GABA_A受容体遮断薬であるピクロトキシン(100μM)の前処置で抑制(61.8±37pA)された。これよりプロポフォールはGABA受容体を介してCl電流を惹起したことが示唆された。次にGABA(100nM-100μM)の惹起するCl電流に及ぼすプロポフォール(1μM)の影響を調べた。プロポフォール(1μM)はGABA(1μM)によるCl電流を増強(142.5±11.4%,n=8)した。
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