2002 Fiscal Year Annual Research Report
培養脳傷害モデルを用いた低温の脳浮腫抑制効果の基礎的研究-脳浮腫発生機構におけるアクアポリンの役割の解明を目指して-
Project/Area Number |
14770783
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
伊藤 弘晃 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20336697)
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Keywords | 脳低温療法 / 中枢神経 / 培養細胞 / プロポフォール / RT-PCR / western blotting |
Research Abstract |
ニューロンとアストロサイトにおけるアクアポリン(AQP)の発現と低酸素負荷によるその変化 申請者らは、ニューロンにはAQP-3,5,8、アストロサイトにはAQP-3,4,5,8が発現していることを明らかにしている。すでに、アストロサイトでは低酸素負荷により発現が増強することも確認している。今回さらにニューロンについても低酸素時の変化を細胞培養系で検討する。方法は、RT-PCRとwestern blottingによりmRNA発現、蛋白発現を検討する。 軽度低温による脳浮腫軽減のメカニズムの解明 ニューロンとアストロサイトに低酸素と同時に低温負荷を加えた場合のAQPの変化を細胞培養系で検討する。方法は、RT-PCRやwestern blottingによりmRNA発現、蛋白発現を検討する。 脳保護薬の軽度低温との相乗効果の検討 ニューロンとアストロサイトに低酸素と同時に低温に加え、きらに脳保護薬(プロポフォール、プロスタサイクリン、リポコルチン等)を添加した場合のAQPの変化を細胞培養系で検討する。方法は、RT-PCRやwestern blottingにより検討する。これにより、軽度低温による脳浮腫軽減作用の増強効果のある薬剤を発見する。 In vivoでの検討 すでに我々はさまざまなラット脳損傷モデルを確立している(Yamamoto et al. Mol. Brain Res. 90(2001)26-38)。これらのモデルを使用して低温の効果を増強する薬剤の実際の効果を判定する。方法は、脳重量、あるいは損傷範囲等の検討により行う。 これらの研究により、より効果的で経済的な脳低温療法の確立を目指したい。
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