2003 Fiscal Year Annual Research Report
培養脳傷害モデルを用いた低温の脳浮腫抑制効果の基礎的研究
Project/Area Number |
14770783
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
伊藤 弘晃 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20336697)
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Keywords | アクアポリン4 / 脳低温療法 / 脳浮腫軽減 / 低酸素負荷 |
Research Abstract |
脳低温療法は脳浮腫予防の有力な治療法として一般に認められているが、そのメカニズムについてはほとんど明らかにされていない。今回我々は水チャンネル(アクアポリンAQP)のうち、脳室周囲の毛細血管に多量に発現していることから、血液脳関門と深く関わりがあるとされているAQP-4を用いた。脳低温療法による低酸素負荷後の脳浮腫軽減にAQP-4が関与しているかを調査するため、低酸素負荷時、低酸素負荷かつ軽度低温時のAQP-4のmRNA,蛋白の発現の変化を測定した。 #1 アストロサイトにおけるアクアポリン(AQP)の発現と低酸素負荷によるその変化 我々はアストロサイトにはAQP-3,4,5,8,9が発現していることを明らかにしている。それらのうち、常温で低酸素負荷により経時的にAQP-4のmRNA、蛋白発現が減少することを見い出した。 #2 低酸素負荷と軽度低温(32℃)によるAQP-4の発現変化 AQP-4 mRNA RT-PCR法で増幅し半定量を行った。低酸素負荷と軽度低温下では、4時間後まで減少し、その後増加し8時間でコントロール値まで回復、12時間後には約2倍となった。AQP-4蛋白western blotting後densitometryにて定量したAQP-4 mRNA同様、4時間後まで減少したが、12時間後には約2倍となった。 以上より、脳低温療法の脳浮腫軽減のメカニズムとして、AQP-4の発現の増加が関与している可能性が示唆された。
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