2002 Fiscal Year Annual Research Report
局所麻酔薬の中枢神経作用-マイクロダイアライシス法を用いた脳内薬物動態の解明
Project/Area Number |
14770785
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中筋 正人 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90295692)
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Keywords | ブピバカイン / デクスメデトミジン / マイクロダイアライシス / 痙攣 |
Research Abstract |
本年度はマイクロダイアライシスに必要な機器(マイクロポンプ、クロマトグラフ)を購入し、主に実験環境の整備に努めた。実験としてはラットの頚動静脈及び大腿静脈にカテーテルを入れて覚醒させ、血圧・心拍数の監視下で薬物の投与が可能な実験モデルを作成した。本モデルに対して局所麻酔薬の持続静脈内投与を行って動物の行動を観察し、興奮・鎮静および痙攣の発生を観察した。また、交感神経α受容体刺激薬であるデクスメデトミジンによって局所麻酔薬であるブピバカインによる痙攣の発生が抑制されることが明らかになった。デクスメデトミジン投与群では非投与群に比べて痙攣発生時のブピバカインの血中濃度、脳内濃度とも用量依存的に増加していたため、痙攣の抑制は薬物動態学的機序、即ちデクスメデトミジンがブピバカインの血中濃度を下げるのではなく、別の機序によることが明らかになった。このメカニズムを明らかにするためマイクロダイアライシス法を用いた実験を試みた。ラットを定位脳固定装置に固定し、脳のnucleus accumbensおよびnucleus coeruleusにマイクロダイアライシスプローベを挿入したモデルを作成した。今後は脳のスライスを作成して顕微鏡によりカテーテル先端位置の確認を行うとともに、プローベを通じて脳脊髄液同様の組成を有する灌流液で灌流を行い、高速液体クロマトグラフと電気化学検出器により灌流液中のデクスメデトミジンとともに局所麻酔薬の濃度を測定する予定である。
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