2002 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌の骨転移メカニズムの解明および新規抗骨転移関連因子療法の開発-骨転移巣の微少環境における増殖因子の生物学的作用機序の解明とその応用-
Project/Area Number |
14770812
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
辛島 尚 高知医科大学, 医学部附属病院, 助手 (60304672)
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Keywords | 腎細胞癌 / 骨転移 / bFGF / VEGF / IL-8 / MMP / 破骨細胞 |
Research Abstract |
1)現在数例の腎細胞癌症例から原発巣および骨を含めた転移巣の臨床検体採取を終え、各転移病巣、原発巣および他の非転移性腎細胞癌の検体を対象にmodified mRNA in situ hybridization法を用いてbFGF、VEGF、IL-8、MMP2、MMP9のmRNA発現を定量的に評価した。若干3例であるが、骨転移巣において原発巣もしくは他の非転移性腎細胞癌と比較してbFGF、VEGF、IL-8、MMP2、MMP9いずれもその発現は高い傾向にあり、特にMMP2、MMP9、bFGFでその傾向は高かった。また、同様に15例の肺転移巣では、その原発巣および非転移性腎細胞癌と比較してbFGF、VEGF、IL-8、MMP2、MMP9の発現はいずれも高く、とりわけVEGF、MMP2およびMMP9の発現は有意に高い結果であった。 2)培養破骨細胞系を確立すべく、マウス破骨細胞前駆細胞にヒト組換えマクロファージ刺激因子(rh-M-CSF)およびヒト組換え可溶性RANKリガンド(rhsRANKL)を添加することによって、成熟破骨細胞への分化を確認した。rhM-CSF(100ng/ml)およびrhsRANKL(50ng/ml)単独でも破骨細胞前駆細胞の増殖は増強されるが、rhM-CSF(10ng/ml)に加えてrhsRANKL(10ng/ml)を併用することにより細胞増殖速度の増強とともに形態変化が起こり成熟破骨細胞への分化をみとめた。成熟破骨細胞分化への確認はTRAP染色および抗F480抗体を用いた免疫染色にて確認した。
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