2002 Fiscal Year Annual Research Report
精巣がんにおける染色体、遺伝子異常の解析に基づく新規予後因子の検討
Project/Area Number |
14770817
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三好 康秀 横浜市立大学, 医学部, 助手 (60336550)
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Keywords | 精巣ガン / 染色体7番 / 染色体8番 / 遺伝子異常 |
Research Abstract |
(目的)精巣がんにおける染色体、遺伝子異常の解析に基づく新規予後因子の検討を目的に精巣胚細胞腫瘍における染色体7番と8番の数的異常を解析し臨床像との関連について検討した。(対象)精巣胚細胞腫瘍20症例とコントロールとして正常精巣組織3検体を対象とした。(方法)精巣胚細胞腫瘍20検体と正常精巣組織3検体の単離核標本を作成し、染色体7番、8番のαsatellite DNA probeを用いてdual labeling FISH法を施行した。(結果)seminomaでは11例中10例、91%に染色体7番、8番の増加を認めた。nonseminomaまたはmixed germ cell tumorでは染色体7番は9例中6例、67%、染色体8番では9例中7例、78%に増加を認めた。seminoma、nonseminomaまたはmixed germ cell tumorにおいて病期や予後と染色体の増加に相関は認めなかった。seminomaとnonseminomaまたはmixed germ cell tumorと、染色体数の間に相関は認めなかった。anaplastic seminomaは染色体7番、8番ともに6個以上と多く認められた。immature teratomaは染色体7、番8番ともに正常範囲内であった。(結語)染色体7番、8番は精巣胚細胞腫瘍の進展というより発生に関与している可能性が示唆された。今後、さらに精巣がんにおける染色体、遺伝子異常の解析をすすめて腫瘍悪性度や病期、予後との相関について検討する予定である。
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