2003 Fiscal Year Annual Research Report
非自己認識分子のクローニングと、同分子抗体による移植後免疫学的寛容の誘導
Project/Area Number |
14770832
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
日下 守 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40309141)
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Keywords | 免疫寛容 / マクロファージ / 臓器移植 |
Research Abstract |
腹腔内細胞移植と皮膚移植のモデルにおいて、移植片拒絶反応の開始点である"非自己の認識"および"細胞傷害"の過程で主体となる細胞は、従来考えられてきたT細胞などのリンパ系細胞ではなく、マクロファージ系の細胞であり、この細胞は移植細胞特異的に細胞傷害活性を示すこと、また、抗体などを介さないで移植細胞を殺す全く新しいタイプのマクロファージであることが明らかになった。一方で実際に臨床で行われる臓器移植と細胞移植や皮膚移植とでは拒絶反応の発症パターンが異なる可能性が示唆され、マウスの心移植モデルを用いて解析を行う事とした。当初は、通常のマウスをdonorとする予定であったが、心筋細胞をターゲットとしての心筋細胞傷害活性を見る上でdonorの条件変更が必要となったため、donorを新生児とし、recipientの耳介に移植を行うモデルに計画を変更した。 C3H/He-BALBc間における心移植モデルで解析をすすめたところ、このアログラフトモデルでは移植心に拍動が再開されず、これを用いての浸潤細胞の解析は臨床での臓器移植を反映しがたいと考えられた。このため、従来臨床でも用いられているCsAとMZR(Mizoribin),MMF(micophenolate mofetil)を投与し、その生着延長効果から検討をはじめた。CsA単独群(20mg/kg/day,po)、CsA+MZR(10mg/kg/day,po)、CsA+MZR(20mg/kg/day,po)、CsA+MMF(10mg/kg/day,po)、CsA+MMF(20mg/kg/day,po)の5群間で検討したところCsA+MZR(10,20mg)群で優位に生着延長効果が認められた。この結果は本年度の米国移植学会で発表を予定している。今後はこの薬剤作用機序の検討を基本にしながら浸潤細胞の解析を進める事とした。さらに、すでに我々はAgilent社DNA microarrayを立ち上げ、今後の解析にあわせて用いる予定である。
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Research Products
(1 results)