2002 Fiscal Year Annual Research Report
LPAの卵巣癌細胞内における代謝経路およびその臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
14770844
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
古井 辰郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (00313883)
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Keywords | 卵巣癌 / 増殖因子 / リン脂質 / リゾフォスファチジン酸 / 分解酵素 / PAP2 / LPP3 |
Research Abstract |
リソホスファチジン酸(LPA)の多彩な生理作用(卵巣癌細胞の増殖更新など)が明らかになりつつある.また、LPAの反応にはG蛋白共有受容体Edg2,4,7等が関与していることが分かりつつある.我々は、卵巣癌の増殖を中心とした作用に対するLPAの正負のコントロール機構について研究してきた.特に、ゴナドトロピン放出因子GnRH作動薬(GnRHa)の卵巣癌細胞に対して、抗腫瘍効果を示すことがLPAの分解機構を活性化するためである可能性も示唆してきた。 本年度の研究で、我々はGnRHaにより卵巣癌細胞内でLPA分解酵素であるPAP2(LPP3)の局在の変化と酵素活性の変動を観察した。 【方法】LPP3の局在は、ウサギを免疫したポリクローナル抗体を用いて免疫組織学的手法によって観察した。LPAの分解活性に関しては、[3H-Oleoyl]LPAからの[3H]oleic acidまたはmono[3H-oleoyl]glycerolへの変換によって検討した。 【結果】LPAの分解反応の98%は脱リン酸化反応(monoglycerol産生),2%が脱アシル化反応(oleic acid遊離)であり、その反応はMg2+、NEM非依存性であった。このことより、この反応はLPP3による反応である可能性が示唆された。その酵素活性および蛋白局在はともに膜分画に存在しGnRHアナログは濃度依存性に形質膜LPA分解活性を亢進した(EC50=30nM)。細胞株を用いた検討では、GnRH刺激によって形質膜におけるLPP3蛋白および酵素活性の増大を認めた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mills GB, Eder A, Furui T, Erickson JR. et al.: "Critical role of lysophospholipids in the pathophysiology, diagnosis, and management of ovarian cancer"Cancer Treat Res. 107. 259-283 (2002)
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[Publications] Imai, A., Iida, K., Furui, T., Tamaya, T.: "Evidence for hormone-responsive cleavage of gonadotropin-releasing hormone by the plasma membrane of ovarian cancer cells"International Journal of Oncology. 10. 987-992 (2002)
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[Publications] Furui, T., Imai, A., Tamaya, T.: "Intratumoral lebel of gonadotropin-releasing hormone in ovarian and endometrial cancers"Oncology Reports. 9. 349-352 (2002)