2002 Fiscal Year Annual Research Report
食事制限による体重減少後にみられるリバウンド現象の病理生態と効果的なダイエット法
Project/Area Number |
14770862
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
角 俊幸 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50315991)
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Keywords | 肥満 / リバウンド体重増加 / 血管新生 / 脂肪組織 / 筋組織 / VEGF |
Research Abstract |
ダイエット後にしばしばみられるリバウンド体重増加のメカニズムを検討するために、日本白色家兎をもちいて肥満モデルを作製し、これらを2群にわけて実験した。1群は60日間自由摂食としたコントロール群で、もう1群は40日間の食餌制限後に20日間の自由摂食としたダイエット群である。2群間の脂肪組織や筋組織がどのように変化するかを形態学的に検討した。筋組織は食餌制限により消耗し、自由摂食にした後やや回復はしたがコントロール群に比べ有意に低下したままであった。脂肪組織では、自由摂食後に脂肪細胞の肥大とともに間質では有意な微小血管密度の増加が認められ、自由摂食後20日目にはコントロール群と同等の体脂肪量に回復した。この微小血管密度の増加の原因を調べるために、VEGFやPD-ECGFなどの血管新生誘導因子の発現について免疫組織化学的に検討したところ、リバウンド体重増加モデルにおいて脂肪組織でVEGFが有意に強発現していた。以上の結果より、リバウンド体重増加は体脂肪量の増加に起因し、そのメカニズムにVEGFが関与している可能性が示唆された。この成果は、第26回日本産科婦人科栄養・代謝研究会にて報告し、その機関紙に掲載受理された。 現在、ヒト脂肪細胞の培養細胞系を用いて、その細胞レベルでのメカニズムの解明を試みると同時に、抗血管新生阻害物質によるリバウンド体重増加の抑制を検討中である。
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