2002 Fiscal Year Annual Research Report
NF-KB活性化による粘液産生及び繊毛運動の変化を介した中耳炎遷延化機構の解明
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14770894
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
名倉 三津佳 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50334983)
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Keywords | 中耳炎 / NF-KB / 粘膜 |
Research Abstract |
他の呼吸上皮と違い正常時には無菌状態にある中耳腔は独特な上皮免疫機構が存在することが予想されるが、その分子生物学的機構は明らかにされていない。中耳炎の代表的な起炎菌であり、上皮における炎症性転写因子NF-κB活性化機構が感染の本体であることが明かとなったインフルエンザ菌に焦点を絞り、炎症刺激のトリガーより始まり中耳炎で滲出液貯留するまでの一連の過程を分子生物学的に説明できることを目的として一連の研究を遂行中である。インフルエンザ菌の菌毒と非常に類似した構造を持つSalmonellatyphimurium由来のLPSを経鼓膜的にラット鼓室内投与し、中耳粘膜上皮細胞における変化を検討した。その結果、中耳粘膜には粘膜肥厚、炎症細胞の集積、粘液貯留を認め、安定した中耳炎モデルとして使用可能であることを確認した。このモデルを使用して以下の項目を検討中である。 1)NF-κB核移行の有無、時期を免疫組織科学的方法で調べる 2)NOS各サブタイプmRNA発現量の変化を定量的PCR法にて比較 3)NOS各サブタイプ活性の変化をradioenzymeasssayにて比較 4)iNOS発現の有無を免疫組織科学的方法で調べる 5)Mucin各サブタイプmRNA発現量の変化を定量的PCR法にて比較 6)Mucinタンパク発現の有無を免疫組織科学的方法で調べる 7)中耳粘膜繊毛上皮の繊毛運動の変化を微分干渉顕微鏡および走査型電子顕微鏡にて観察する これらのデータをもとに、次年度は培養細胞を用いたシグナル伝達の経路の解明も行う予定である。
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