2003 Fiscal Year Annual Research Report
嗅索切断後のポリエチレングリコールによる神経再生、機能回復に関する研究
Project/Area Number |
14770895
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小林 正佳 三重大学, 医学部, 助手 (80343218)
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Keywords | 嗅覚 / 再生 / ナラマイシン / ラット / 嗅索 / ポリエチレングリコール |
Research Abstract |
ウィスター系雄ラットを用いて以下の実験を施行した。 ラットを48時間断水とした後、ラットがナラマイシン水溶液に対して、忌避行動をとる習性を利用し、ニオイの条件付け(嫌悪学習)を行った。この条件付けの方法は、各ラットをケージに入れ、ナラマイシン水溶液の入っている給水瓶を蒸留水の入っている給水瓶を同時に提示し、どちらの瓶から飲水するかをみてナラマイシンのニオイを嗅ぎ分けられているかどうかを調べるものである。1日目の施行で10回で給水瓶を提示し、最低1回はナラマイシン水溶液を飲水するが、これにより、ナラマイシンのニオイを記憶して、以後ナラマイシン水溶液の給水瓶には近寄らなくなった。ニオイの学習は日をおいて48時間断水の後計3日施行し、全てのラットがナラマイシンのニオイを理解した行動をとるようになった。 ニオイ学習の成立したラットをペントバルビタールの腹腔内注射で麻酔し、前頭開頭して嗅索を露出させ、これを切断した。ラットをコントロール(模擬手術)群、嗅索切断群、嗅索切断+ポリエチレングリコール局所投与群の3群に分け、それぞれ閉頭した。 その後、各群動物において、ナラマイシンのニオイに対する反応が回復したかどうかを経日的に行動観察法で確認した。まずコントロール群は術後4日目以後にナラマイシンテストを施行したが、ナラマイシンに対する忌避行動が術前と同様に認められた。嗅索切断群では術後4日目以降に施行したナラマイシンテストに対して忌避行動がとれず、1日の試行で繰り返し、ナラマイシン水溶液を飲水してしまう行動が認められた。嗅索切断+ポリエチレングリコール局所投与群ではナラマイシンに対する忌避行動が認められた。 嗅索切断後麻酔下で再開頭手術した。電気生理学には神経の機能的再生は不十分であったが、組織学的には嗅索切断部の組織学的再生と考えられる所見が認められた。
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Research Products
(1 results)