2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770918
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
竹腰 英樹 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10302738)
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Keywords | 乳幼児 / 骨導聴力 / 両耳装用 / 乳突部 / 耳前部 / 方向感 |
Research Abstract |
【はじめに】昨年度、JIS T1201タイプ2の規格を満足した骨導聴力検査装置を開発した。条件詮索反射検査装置を外付けし乳幼児の骨導聴力測定が可能なものである。骨導による条件詮索反射検査を施行するためには、骨導受話器を両耳装用しなくてならない。従来骨導では方向感が判明しないとされていたが、加我らは乳突部に骨導端子を装用し方向感検査が小児でも可能であったと報告している。 【目的】今回我々は、開発した装置を用いて骨導受話器の位置における骨導閾値と方向感閾値を検討した。 【対象・方法】対象は健康成人20人(平均33歳)を対象とし250〜6kHzの9周波数、純音断続音にて以下を検討した。1)RION AA-75にて左右骨導閾値、2)本装置にて乳突部で左右骨導閾値と骨導方向感閾値、3)本装置にて耳前部での左右骨導閾値と骨導方向感閾値を測定した。250〜750Hzを低音域、1k〜2kHzを中音域、3k〜6kHzを高音域として平均値を示した。 【結果】1)本装置とRION AA-75との骨導閾値の比較では、高音域にて本装置では閾値の低下を認めた。2)乳突部装用の骨導方向感閾値は、低〜中音域にて約10dBHLの閾値上昇を認めた。3)耳前部装用の骨導方向感閾値は、全音域にて左右骨導閾値と一致した。4)本装置にて乳突部と比較して耳前部装用の方が骨導閾値は全音域にて約10dBHL閾値の低下を認めた。 【考察】RION型との比較において、本装置が高音域にて閾値の低下を認めたのはJIS規格タイプ2の本装置とタイプ3のRION型との差によるもとの考えられる。乳突部にて低〜中音域にて方向感閾値が上昇したのは、骨導閾値が高いことや、骨導受話器の装用不備によるものが考えられる。条件詮索反射を利用した聴力検査において、より信頼性のある骨導を測定するためには骨導受話器の耳前部装用が良いことが判明した。
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