2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770921
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
荒木 幸仁 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70317220)
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Keywords | 声帯粘膜 / 創傷治癒 / ウイルスベクター / 栄養因子 / アデノウイルス |
Research Abstract |
声帯粘膜創傷治癒改善を目的とした栄養因子の遺伝子導入についての実験を行っている。日本シロウサギの声帯に粘膜創傷治癒の改善効果を期待できる栄養因子遺伝子を搭載したアデノウイルスベクターを投与し、声帯粘膜創傷治癒への影響を観察することを目的としている。 現在までに注入および塗布による声帯粘膜へのreporter遺伝子導入の検討を行った。LacZ遺伝子を含みアデノウイルスゲノムからE1A、E1B、E3遺伝子を欠損したウイルスDNAを持つ発現コスミドカセットDNAと、親ウイルスDNA-末端蛋白複合体(TPC)を293細胞にco-transfectし組み換えアデノウイルス(AxCAhLacZ)を作製した。 次に日本シロウサギを用いて、(1)喉頭載開下に右声帯粘膜上面に上皮欠損を作製、(2)粘膜に損傷を加えないの2種類のモデルを作成した。 声帯粘膜損傷直後にreporter遺伝子(LacZ遺伝子)を含む非増殖型アデノウイルスベクター(AxCAhLacZ)を声帯粘膜に直接注入または塗布にて導入した。導入後1、2、4週後に喉頭を潅流固定後に摘出し、声帯粘膜部の凍結組織切片を作製した。各組織切片をX-gal染色および抗β-galactosidase抗体を用いて免疫染色を施行し、各々での遺伝子発現強度や発現持続期間などを観察した。(1)(2)いずれにおいても、結果は1週後においてX-gal酵素組織染色でLacZ遺伝子の強い発現を認め、2週後で発現の減弱を認め、4週後ではほとんど発現を認めなかった。 注入法では注入した部位に強い発現を認めた。塗布した場合は付近の粘膜およびその周囲に発現を認め、塗布のみでも遺伝子導入が可能であることが証明された。
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