2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14770930
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
三枝 英人 日本医科大学, 医学部, 講師 (70287712)
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Keywords | 舌神経 / 三叉神経運動根 / 垂直舌筋 / 茎突舌筋 / 顎舌反射 / 構音障害 / 嚥下障害 |
Research Abstract |
(機能解剖学的研究) 舌神経の線維解析を行い、本来知覚線維のみとされていた舌神経が三叉神経運動根からの運動線維を有しており、これが内舌筋である上・下縦舌筋を支配することを明らかにした。また、垂直舌筋の線維解析の結果からは、垂直舌筋は茎突舌筋との関連が深く、舌尖部において、茎突舌筋の舌後上運動と共に舌尖の積極的な下垂の役割を担っているものと推定された。 (機能生理学的研究) 上記で得られた垂直舌筋と茎突舌筋との関係について、口腔内視鏡、筋電図、超高速MRIを駆使して解析を行っている。その結果からは、垂直舌筋は舌尖を積極的に下垂させる働きを有するが、これが強く噛む時などの下顎の運動と関連して起こることが示唆された。この現象は、ネコなどで報告されている顎舌反射と類似しており、顎舌反射がヒトにおいても存在することを示唆しているものと考えられる。この下顎運動に伴う舌運動の存在は、舌運動と咀嚼運動との有機的関係が存在することを説明するもので考えられる。現在、更に解析を進めているが、この垂直舌筋の生理学的作用からは、舌運動障害に対する咀嚼運動を利用した新たな機能訓練の開発の可能性などが多いに期符され得る。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Hideto Saigusa et al.: "Morphological studies for retrusive movement of the human adult tongue"Clinical Anatomy. 17・2. 93-98 (2004)
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[Publications] Hideto Saigusa et al.: "Arytenoid cartilage dislocation"J.Nippon Medical School. 70. 382-383 (2003)
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[Publications] 三枝 英人 他: "大学病院における嚥下障害治療の取り組み"耳鼻咽喉科展望. 46. 227-233 (2003)
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[Publications] 三枝 英人 他: "嚥下訓練が有効であった運動障害性構音障害の1例"音声言語医学. 44. 253-257 (2003)
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[Publications] 三枝 英人 他: "如何にして正しく被裂軟骨脱臼症の診断を行うか?"日本気管食道科学会会報. 54. 401-415 (2003)
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[Publications] 三枝 英人 他: "後方型被裂軟骨脱臼症に対する従手整復術"喉頭. 15. 103-108 (2003)
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[Publications] 三枝 英人 他: "喉頭挙上に左右差があることに起因する嚥下障害に対する手術による対応"耳鼻と臨床. 50. 81-87 (2004)
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[Publications] 三枝 英人 他: "嚥下機能検"耳喉頭頚. 75. 201-210 (2003)
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[Publications] 長谷川 純, 三枝 英人 他: "急性に嚥下障害を発症したForestier病の1例"耳喉頭頚. 75. 313-317 (2003)
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[Publications] 三枝 英人(分担): "今日の治療指針"医学書院. 2 (2004)