2003 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析を用いた、新たな内耳感染防御機構の解明
Project/Area Number |
14770931
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
長谷川 純 日本医科大学, 医学部, 助手 (80339415)
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Keywords | 外リンパ / 内耳 / 感染防御 |
Research Abstract |
我々は、2次元電気泳動による外リンパのプロテオーム解析を行っている。Cochlin蛋白のLCCLモチーフ配列に対する抗体を2種類作成し、抗LCCL-N末端抗体、抗LCCL-C末端抗体とした。これを用いた1次元ウェスタンブロッティングにより、外リンパ中に新規タンパクCochlin-Tomoprotein(CTP)(以前我々がPLP16K蛋白と呼んでいたもの)を検出した。CTPの前駆産物であるCOCH蛋白は分子量、等電点が異なる全部で16個のアイソフォームから構成されていた。従ってCTPも燐酸化、糖鎖の付加などの様々な翻訳後修飾を受けている可能性がある。 そこで、先ずこの蛋白の発現を2次元電気泳動により解析する目的で実験を行った。ウシ外リンパを採取し、蛋白を20倍体積のホモジェネート液で抽出した。2次元電気泳動には固定化pH勾配ゲルストリップ(Immobiline pH3-10)を用いた。1次元目に尿素変性条件下で等電点泳動をMultiphorIIで行い、2次元目にSDS変性下で平板ゲル電気泳動を行った。この結果、外リンパ特異的な泳動パターンが得られ,これは内耳蛋白の泳動パターンとは全く異なっていた。20ulの外リンパを泳動し、抗LCCL-N末端抗体、抗LCCL-C末端抗体でウェスタンブロッティングを行ったところ、陽性スポットが検出された。この陽性スポットは、酸性側にCTP(pH7.7)分子量18.8から23.1kDa、アルカリ性側にCTP(pH7.9)分子量17.7から22kDaであり、CTPのアイソフォームと考えられた。 今後、そのアミノ酸配列を解読し、PLP16K蛋白の蛋白レベルでの特徴、前駆産物であるCOCH蛋白との関連性を明らかにする。さらにCTPの機能について検討していく。
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