2002 Fiscal Year Annual Research Report
杆体一色型色覚におけるCNGA3およびCNGB3遺伝子の解析
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14770953
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
小田 早苗 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90335175)
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Keywords | 錐体カチオンチャネル / CNGA3 / CNGB3 / 杆体一色型色覚 |
Research Abstract |
(1)錐体カチオンチャネルのcDNAの単離と変異の導入: ヒト網膜よりCNGB3のcDNAを単離しpCR3.1にクローニングした。 変異1(Ser435Phe)、変異2(Asp633Gly)を導入したCNGB3を作製した。 (2)錐体カチオンチャネルの培養細胞での一過性発現と膜電流の測定: 上記cDNAをHEK293細胞に導入し、パッチクランプ法で膜電流を測定した。 CGNA3のみを導入した細胞では、膜電位に依存し、かつ、cGMPによって増大する膜電流が測定された。一方、CNGB3のみを導入した細胞では、膜電流は全く観察されなかった。 そこで、CNGA3とCNGB3の両方を導入し膜電位を測定した。αサブユニットのみで構成されるチャネル(α)と、αβ両サブユニットで構成されるチャネル(α/β)を比較し、次の3つの違いを明らかにした。 (i)脱分極側における電流で、α/βのみ時間依存性の減衰を示した(半減期=32.3msec)。過分極側の電流では、両チャネルとも減衰は示さなかった。 (ii)膜電流に対するcGMPの1/2有効濃度は、αで15.6μM、α/βで26.0μMであった。 (iii)10μMのヂルチアゼム存在下において、αの膜電流は殆ど抑制されなったが、α/βのそれは30%抑制された。 (3)錐体カチオンチャネルβ鎖の培養細胞での安定発現と膜電流の測定: CNGB3のクローンをHEK293細胞に導入し、ネオマイシン耐性細胞をクローン化し凍結保存した。 (4)杆体一色型色覚における新たな変異の同定: 4名の杆体一色型色覚例におけるCNGA3、CNGB3遺伝子の解析を終了しているが、上記の変異(変異2)以外に新たな変異は見出されていない。CNGB3に関しては、多型が見出された(T297P)ので、アレル頻度を求めた(日本人で0.15:0.85、コーカソイドで0.44:0.56)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hisao Ueyama, Shigeki Kuwayama, Hiroo Imai, Shoko Tanabe, Sanae Oda, Yasuhiro Nishida, Akimori Wada, Yoshinori Shichida, Shinichi Yamada: "Novel missense mutations in red/green opsin genes in congenital color-vision deficiencies"Biochemical and Biophysical Research Communications. 294巻. 205-209 (2002)
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[Publications] Hisao Ueyama, Yao-Hua Li, Gui-Lian Fu, Patcharee Lertrit, La-ongsri Atchaneeyasakul, Sanae Oda, Shoko Tanabe, Yasuhiro Nishida, Shinichi Yamada, Iwao Ohkubo: "An A-71C substitution in a green gene at the second position in the red/green visual-pigment gene array is associated with deutan color-vision deficiency"Proceedings of the National Academy of Sciences USA. 100巻6号. 3357-3362 (2003)
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[Publications] Sanae Oda, Hisao Ueyama, Yasuhiro Nishida, Shoko Tanabe, Shinichi Yamada: "Analysis of L-cone/M-cone visual pigment gene arrays in females by long-range PCR"Vision Research. 43巻. 489-495 (2003)