2002 Fiscal Year Annual Research Report
16S rRNA genes PCR-RFLPによる口腔細菌叢解析システムの構築
Project/Area Number |
14771000
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 拓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10303132)
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Keywords | 16S ribosomal RNA / PCR / RFLP / 口腔細菌 / 歯周病関連細菌 |
Research Abstract |
口腔の生態系の健康状態を保持し、口腔の病態をモニターするために、歯垢中の細菌を迅速・的確に検出・同定することが重要である。本研究では、口腔の病巣に多い嫌気性菌について、PCR法ならびにPCR-RFLP法を用いて、迅速に同定する方法の開発を行った。 1、歯周炎罹患部位(15名)の歯周ポケット内容液を採取し試料とした。試料からgenomic DNAを抽出し、細菌の16S rRNA genesのuniversal primersを用いてPCR増幅を行った。次いで歯周病関連とされる12菌種の菌種特異的primersを用いてnested PCRを行った。15例のポケットからは、P. gingivalisがnested PCRで12例に、通常のPCRで9例に検出され、他の11種類の細菌全てにおいて、nested PCRの方が通常のPCR法よりも検出率が高かった。 2、歯肉縁上歯垢(18名)およびS. mutansの標準株の嫌気培養菌体を試料とした。DNAを抽出後、PCR法によるS. mutansおよびS.sobrinusの検出・同定を行った。18例の歯垢から、nested PCRでS. mutans全例に、S. sobrinusは4例に検出されたのに対し、通常のPCRでは、S. mutansは8例に、S.sobrinusは2例にのみ検出された。また、S. mutans菌体DNAを用いて、PCRの検出感度を検討したところ、nested PCRの方が通常のPCR法よりも約1000倍高かった。PCR primersのspecificityについては,PCR-RFLP法(EcoRI)で確認できた。すなわち、得られたRFLPパターンは、GenBankデータベースから得た16S ribosomal RNA遺伝子配列を基に計算・予測したものと一致した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takahashi N: "Dipeptide utilization by periodontal pathogens, Porphyromonas gingivalis, Prevotella intermedia, Prevotella nigrescens and Fusobacterium nucelatum"Oral Microbiol Immunol. 17(1). 50-54 (2002)
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[Publications] 加藤一夫: "nested PCRを利用した歯垢内の齲蝕関連菌の層別分布解析"口腔衛生会誌. 52(4). 568-569 (2002)
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[Publications] 山浦みゆき: "顎顔面領域の慢性感染病巣からのPCR法による細菌検出"歯基礎誌. 44(5). 464 (2002)
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[Publications] 真柳弦: "慢性辺縁性歯周炎病巣からの歯周炎関連細菌26菌種のnested PCR法による検出"歯基礎誌. 44(5). 464 (2002)
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[Publications] 松山順子: "小児歯垢中に存在するS. mutansとS. sobrinusのPCR法による検出頻度の各年齢層別の比較"歯基礎誌. 44(5). 467 (2002)
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[Publications] 佐藤拓一: "齲蝕及び歯周病関連細菌の16S rRNA genes nested PCR法による高感度検出"歯基礎誌. 44(5). 470 (2002)