2003 Fiscal Year Annual Research Report
非アミノ系ビスホスホネートの抗炎症作用とCox-2mRNA転写抑制の解析
Project/Area Number |
14771018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹山 禎章 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00333823)
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Keywords | ビスホスホネート / プロスタグランジンE2 / 抗酸化作用 |
Research Abstract |
ビスホスホネート(BPs)は強力な骨吸収抑制作用を有する薬物であり、現在悪性腫瘍による高カルシウム血症や骨粗鬆症に使用されている。申請者はBPsの中に骨吸収抑制と抗炎症作用を併せ持つものがあることを見いだしている。この作用はBPsの側鎖にアミノ基を含まない非アミノ系BPsに認められる傾向があった。今回側鎖にチオメチル基をもつ非アミノ系BPを用いて炎症によって産生されるprostagrandin E2(PGE2)への影響を検討した。 実験にはLPS刺激によるマウス頭蓋冠の器官培養を用いた。側鎖にチオメチル基をもつBPはLPS刺激による骨吸収をBP濃度依存的に抑制した。またLPSによるPGE2産生は培養開始後48時間よりBP濃度依存的に減少を示した。PGE2はアラキドン酸カスケードによって合成されるのでphospholipase A2とcyclooxygenase 2(cox-2)のRT-PCRを行ったところ、cox-2 mRNAはBP濃度依存的に発現が減少したが、phospholipase A2の発現には変化がなかった。cox-2の蛋白もmRNA同様の傾向を示した。この結果よりこのBPはcox-2発現抑制に関係していることが推測される。 チオメチル基には抗酸化作用があり、NOとの関連を検討した。NO産生はLPS群に比較してBP添加群で減少したが、合成酵素であるiNOSmRNAには変化が認められなかった。NO donorを添加した培養ではcox-2mRNAは誘導された。これらの結果より、チオメチル基をもつBPはcox-2の発現を直接抑制、または抗酸化的にNO抑制する間接的なcox-2発現抑制によりPGE2産生を抑制している可能性があることが示された。
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Research Products
(1 results)