2003 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質接着システムの長期接着疲労耐久性評価法の確立
Project/Area Number |
14771068
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
三橋 晃 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20239289)
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Keywords | エナメル質 / 象牙質 / エッチング / セルフエッチング / レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度実験の目的は、リン酸処理、セルフエッチングプライマーで処理した脱灰エナメル質に対し、光軸方向(Z方向)へ分解能を持ち、共焦点で画像表示が可能な走査型共焦点レーザー顕微鏡を用い、各種歯面処理剤の歯面の粗〓化による表面積増加程度を研削群と非研削群で比較、検討をした。新鮮ヒト抜去小臼歯の頬側面からエナメル/象牙質試片を切り出し、ポリッシングブラシで清掃後、超音波にて洗浄した非研削群と、鏡面研磨を行った研削群に分け、試料とした。レーザー顕微鏡で、3種歯面処理材を各業者指定処理時間施す前と後で画像取り込み、表面性状を3次元的に観察、任意3点で表面積測定を行ない、各処理群間で比較した。同時にSEM観察を行なった。表面処理には、リン酸エッチングとして35%および65%リン酸水溶液(P35,P65)、セルフエッチングプライマーとしてMega Bond Primer : SEを施した。処理後、リン酸処理群では精製水にて水洗後、乾燥し、セルフエツチングプライマーでは有機溶媒にてレジン成分を除去後、計測に供した。研削群、非研削群ともいずれの処理群においても表面性状の変化が認められ、処理前に比べ処理後のエナメル質表面積は増加した。研削群では処理後の輝度像において脱灰したエナメル表層に小柱が明瞭に観察され、P35>P65>SEの順に有意に高い(p<0.05)表面積増加率が示された。なかでもリン酸処理群では、セルフエッチングエッチングプライマーに比較し大きな表面積増加率を示した。非研削群ではP65がP35よりも有意差はないものの、高い表面積の増加を示し、またSEは最も小さな値であった。レーザー顕微鏡を用いて各種酸処理により脱灰されたエナメル質を表面解析した結果、セルフエッチングプライマーよりもリン酸処理でより大きな表面積の増加が観察され、その有用性が示唆され、象牙質表面にも応用できるものと考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Akira Mitsuhashi, Koji Hanaoka, Toshio Teranaka: "Fracture toughness of resin-modified glass ionomer restorative materials : Effect of powder / liquid ratio and powder particle size reduction on fracture toughness"Dental Materials. 19. 747-757 (2003)