2003 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内電位と唾液性状を指標とした修復金属溶出に関する検査方法
Project/Area Number |
14771081
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
橋本 明彦 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (20283020)
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Keywords | 金属アレルギー / 金属溶出 / 電位測定 / 参照電極 / 唾液検査 / 唾液pH / 細菌数 / 金銀パラジウム合金 |
Research Abstract |
【本年度研究の目的】 口腔粘膜を模倣した測定条件における参照電極の精度 通常のin vitroでの実験では参照電極も電解液中で使用するため,臨床的使用方法である粘膜接触とは条件が異なる。口腔内電位測定装置であるDMAメーターのAg/AgCl電極が測定上正確であることは必須であることからも,in vitroにおいても臨床を模倣した条件で精度を検討する。 【方法】 使用参照電極:実験側 DMAメーター付属のAg/AgCl電極,対照側 飽和カロメル電極 対極および作用極:いずれも電解槽付属の白金電極を使用 電解液:生理食塩水 疑似粘膜:塩化カリウム加寒天 測定方法:測定条件は次の3つとした。1.参照電極をAg/AgClとし,参照極槽を疑似粘膜2.参照電極をAg/AgClとし参照極槽を飽和塩化カリウム溶液3.参照電極を飽和カロメル電極とし参照極槽を飽和塩化カリウム(コントロール) 1〜3の測定条件に対して,他の条件を電解槽温度一定,窒素脱気,撹押下として統一し,白金作用極と各参照極との電位を1時間ずつ測定した。測定は各条件5同ずつ行った。 【結果と考察】 3条件の中でコントロールがもっとも安定した電位を示した6条件2ではいずれも測定終了後の電位が低くなり,3条件の中ではもっとも差が大きかった。条件3は測定開始後の値に正負のいずれかの変化が見られたがいずれも小範囲で,条件1に次いで安定していた。条件2では塩化カリウム溶液のAg/AgCl電極への浸透により値が変化したものと考えられた。 以上の結果から,DMAメーターの電極は,唾液で湿潤した状態よりもある程度乾燥させた粘膜に接触させた方がよいことが明らかにされた。
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