2002 Fiscal Year Annual Research Report
摂食・嚥下障害に対する新しい歯科学的訓練装置の開発と応用
Project/Area Number |
14771094
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松山 美和 九州大学, 歯学部附属病院, 助手 (30253462)
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Keywords | リハビリテーション / 摂食・嚥下障害 / 補綴装置 / 口腔腫瘍術後 / 機能評価 |
Research Abstract |
口腔腫瘍術後にみられる器質的原因による摂食・嚥下障害には歯科学的リハビリテーションの必要性があると考えられる。しかしながら、顎義歯、舌接触補助床(PAP)やパラタルリフト(PL)などの補綴装置をリハビリテーションに応用している医療機関は少なく、新たに歯科学的訓練装置を考案、開発し、広く一般に普及させることの必要性が痛感される。 そこで、本研究の目的は以下の2つである。 1)舌運動機能および口腔周囲の筋訓練および、口腔感覚機能の鋭敏化などを考慮して、摂食・嚥下リハビリテーションに応用できる新たな訓練装置を考案し、開発すること。 2)摂食・嚥下リハビリテーションにおいて、新たに開発した訓練装置の有効性を明確にすること。 歯科学的訓練装置考案の前に、本年度はおもに、器質的摂食・嚥下障害患者の基礎的生理学検査を行った。本学歯学部附属病院義歯科に通院中の舌腫瘍術後患者5名を研究対象とし、咀嚼機能(Oharaらの寒天咀嚼篩分法)、食塊形成能、嚥下機能(水のみテスト、VF)および主観的満足度(独自作成の「装置に対する満足度」)を評価した。加えて、広島大学津賀助教授の協力を得て、舌圧計測が可能となり、これを応用した。データのばらつきが大きいため、さらに被験者を増し、データ集計および解析を行った後、学会にて報告する予定である。 なお次年度以降は、電気味覚計および味覚濾紙ディスクによる味覚機能テストと唾液分泌能テストを応用し、被験者に加えて、コントロール(医療関にて摂食・嚥下リハビリを受けている脳血管障害患者)群の計測および解析を行い、訓練装置開の基礎データにする予定である。
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