2002 Fiscal Year Annual Research Report
「かむ」ことと脳の活性化-細胞レベルでの機械的刺激メカニズムの解明-
Project/Area Number |
14771095
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金岡 利佳 長崎大学, 歯学部附属病院, 助手 (50336179)
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Keywords | 脳 / 神経細胞 / 振動 |
Research Abstract |
細胞への振動負荷システムの確立を行った。振動制御装置(9920S, Akashi)で発生させた正弦波の電気信号を,電力増幅器(AME100, Akashi)で増幅して振動発生機(MEE35, Akashi)に入力し,振動に変換した。振動発生機はトラニオンで固定し,振動面には直径100mmの垂直補助振動台を取り付けた。この振動台上に加速度トランスデューサ(612, TEAC)を両面テープで固定し,振動信号を振動制御装置ヘフィードバックして,加速度および周波数をコントロールした。 マウスの妊娠18日齢胎児より大脳半球を摘出して神経細胞を単離し,DF添加10%FBSを用いて,ポリエチレンイミンコーティングした培養用ディッシュに2×10^5個/cm^2で播種した。培養4日後に培地をDMEM添加10%HSに置換し,培養5日後以降に振動負荷実験を開始した。 当初は,振動発生機を100%湿度のCO_2インキュベーター内に設置する予定であったが,振動発生機の防湿が困難であったため,振動負荷は37度に設定した恒温器内で行い,振動負荷時にはコントロール群も同じ恒温器で培養した。 振動群に,100Hz,1Gの振動を20分間,5時間ごとに3回負荷した後,細胞の生存率についてコントロール群と比較した結果,有意な差は認められなかった。今後は,実験条件を増やし,神経細胞の活性化に有効な振動の周波数,加速度,振動負荷時間を明確にする予定である。また,加振中の細胞培養環境については現在検討中である。
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