2002 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織代替材料の開発-スパッタデポジション法による金属とセラミックスの複合化-
Project/Area Number |
14771111
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
田中 欣也 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (10257305)
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Keywords | Ti / β-TCP / スパッタデポジション法 / 硬組織代替材料 / セラミックス / 金属 |
Research Abstract |
本研究では、既存の表面加工法とは違う観点からのスパッタデポジション法を高周波によりTi金属とCaP系セラミックスを同時に原子・分子に分解し、硬組織代替材料表面にイオンスパッタすることにより、その表面にはTi金属やCaP系セラミックスの単体の層ではなく、Ti原子とCaP系セラミックス分子の状態で混在した新しい表面性状・新しい医療素材を開発することを目的とし、Bio-activeな材料としてβ-TCP(Ca_3(PO_4)_2)を選択しスパッタターゲットを製作した。 ファインセラミックス系のターゲット製作に関しては、焼桔法や溶解法があるが、アパタイト系のターゲットは過去に製作した経緯がなかったため、焼桔法による製作を何度もくり返して亀裂のない均質な状態のターゲットを完成させた。 スパッタ装置は、ANELVA社製L-332S-FHSを用いて、RF電源による高周波スパッタリング法により金属材料のTiおよびBio-active材料としてβ-TCPを個々に石英ガラス資料片上にスパッタコーティングを行った。スパッタ条件は、RFパワー200W、スパッタ圧22×10^<-1>、Ar流量50Sccm、成膜時間60minであった。 スパッタされた試料表面の分析は、表面状態を島津社製走査型電子顕微鏡Super Scan SS-550、分析条件は加速電圧5.0kV、Probe 2.0、倍率×10000による観察を行い。また、Seiko社製蛍光X線分析装置SEA5120、分析条件は管電圧45kv試料電流16μA測定時間100Secによる定性分析を行った。観察されたスパッタ表面は緻密で均一な表面状態であるため、高品質なスパッタコーティングがなされているものと推察できる。また、β-TCPスパッタコーティング膜の定性分析においては、理論値膜圧0.2μm、Ca約90w%、P約10w%であったが、それぞれ化合物を形成し易く、精度の高い定量分析の必要があると考えられ、スパッタコーティングが均質であるため、アモルフアス状態でCa、Pが存在することも考えることができる。
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