2002 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面骨のリモデリング時におけるサイトカインGas6の破骨細胞に対する作用の解析
Project/Area Number |
14771122
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片桐 末佳 東京大学, 医学部附属病院, 教務職員 (50334404)
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Keywords | 成熟破骨細胞 / Tyro3 / Gas6 / 骨吸収活性 |
Research Abstract |
破骨細胞は、8週令マウス脛骨より抽出した骨髄細胞と新生児マウス頭蓋冠から採取した骨芽細胞をV_D(10^<-8>M)とPGE_2(10^<-6>M)存在下で共存培養する事によって得られるTRAP陽性成熟多核破骨細胞様細胞を用いた。 (1)骨系細胞におけるGas6とTyro3の発現の検討:破骨細胞をはじめとする骨系細胞でのGas6とTyro3の発現を検討した。蛋白レベルでは、骨芽細胞及び成熟破骨細胞より蛋白を抽出してWestern blotにより検討をおこなった。その結果、Tyro3はマウス成熟破骨細胞で発現が見られたが、骨芽細胞においでは発現が見られなかった。mRNAレベルにおいては、骨芽細胞、骨髄細胞、脾細胞、成熟破骨細胞よりtotal RNAを抽出し、RT-PCRを用いて発現を検討した。Gas6はすべての細胞において発現が認められたが、一方でTyro3は成熟破骨細胞にしか発現が見られなかった。また、破骨細胞の分化段階においてTyro3の発現を検討したところ、成熟破骨細胞の出現と一致して発現がみとめられた。 (2)Tyro3を介するGas6のマウス破骨細胞に対する検討:破骨細胞に対するGas6の作用を、破骨細胞形成、骨吸収活性、破骨細胞への延命作用の3つの点から検討した。破骨細胞形成と延命作用はTRAP染色により、骨吸収活性は象牙片上での培養による吸収窩形成を骨形態計測専用画像処理システムで測定し評価した。その結果、Gas6は破骨細胞の形成及び延命には影響を与えなかったが、10^<-9>M<の濃度において、成熟破骨細胞の骨吸収活性を約2.4倍に促進した。 以上よりTyro3は成熟破骨細胞に特異的に発現すること、Gas6は成熟破骨細胞に直接作用して骨吸収を促進することが明らかになった。
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