2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14771141
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北岡 栄一郎 徳島大学, 歯学部附属病院, 助手 (60343307)
|
Keywords | メラトニン / 遺伝子発現 / 骨形成 / 分化 |
Research Abstract |
メラトニンの骨形成における役割を明らかにするためにヒト顎骨あるいは腸骨より分離した骨芽細胞を用いて、メラトニンレセプターの発現の検索を行うとともにメラトニンがヒト骨芽細胞の増殖および分化に及ぼす影響について検討を行った。 腸骨海綿骨および下顎皮質骨由来の種々の年齢のヒト骨芽細胞を分離培養し、ヒト骨芽細胞におけるMellaR遺伝子発現を検討したところ、男女ともに若年者では発現が高く、高齢者ほど低下している傾向が認められた。タンパク質発現の検討では、高齢者から分離した骨芽細胞においては発現を検出できなかったのに対し、比較的高度にMellaRを発現していることが確認された。 MellaR遺伝子および蛋白質を比較的高度に発現する細胞を用いて細胞内のcAMPの測定を行った。メラトニンを添加することにより、forskolinによって誘導されるアデニル酸シクラーゼ活性の上昇が濃度依存的に抑制された。また、メラトニンとともにメラトニンレセプターに対するantagonistであるluzindolを2μMの濃度で添加した実験系では、メラトニンによる抑制作用がうち消され、アデニル酸シクラーゼ活性は対照群とほぼ同程度まで回復した。さらにGi蛋白質を介した経路の遮断薬であるPTXにより16時間の前処理を行った実験系では、PTXによりメラトニン添加によるアデニル酸シクラーゼ活性の抑制が完全に阻害されることが確認された。 細胞増殖能の検討では、5日間のメラトニン処理によって、対照群と比較し50μM以上の濃度のメラトニンを添加した実験群では、濃度依存的に有意な細胞数の増加を認めた。また細胞分化能の検討では、ALPase活性、遺伝子発現および石灰能の検討結果よりメラトニン処理により分化促進することが示唆された。
|