2002 Fiscal Year Annual Research Report
乳歯歯根吸収の制御を目的とした遺伝子治療のための基礎的研究
Project/Area Number |
14771172
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉村 善隆 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30230816)
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Keywords | 破骨細胞 / RANKL |
Research Abstract |
我々はヒト永久歯もしくは乳歯由来歯根膜細胞とマウス大腿骨由来の骨髄由来細胞との共存培養系、ならびに、マウス由来骨芽細胞様細胞とマウス骨髄由来細胞との共存培養系において、10%FBS、アスコルビン酸およびL-グルタミンを添加したαMEM培養液に活性型ビタミンD3とデキサメタゾンを添加することにより、破骨細胞のマーカー酵素の一つである酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)陽性の多核細胞を誘導することに成功した。また、マウス骨髄由来細胞を、セファデックスG10カラムを通すことにより得たmonocyteにreceptor activator of NF-kappa B (RANK) ligand (RANKL)とCSF-1 (M-CSF)を添加した培養液を用いることにより、TRAP陽性多核細胞を得ることに成功した。 次に、象牙質切片上でこれら培養系を行い、骨吸収活性(吸収窩)を持つことを走査型電子顕微鏡で確認し、TRAP陽性の多核細胞が破骨細胞であることを確認した。 以上の結果より、骨吸収制御機構を確認するための実験系が確立された。 また、RANKLの真核細胞発現ベクター合成に成功し、大腸菌に蛋白質を発現させ、GSTカラムを用いて精製に成功した。SDS-PAGEにより、その分子量は目的のものであることが確認された。 今後は、RANKLベクターの遺伝子導入を行い、歯根吸収の制御が効果的・効率的に行えうるか否かを評価する。また、RANKL以外の骨吸収制御因子の真核細胞発現ベクターの構築を行う。
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