2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14771178
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
友藤 孝明 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80335629)
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Keywords | 歯周病モデル / LPS / プロテアーゼ / ラット / Actinobacillus actinomycetemcomitans / Porphyromonas gingivalis |
Research Abstract |
本研究の目的は,ラット歯周組織に慢性炎症を起こす実験モデルを,Actinobacillus actinomycetemcomitans由来のリポポリッサカライド(LPS)とPorphyromonas gingivalis由来のプロテアーゼを用いて確立することである。平成14年度は,LPSとプロテアーゼの精製を試みた。 A.a.LPSの精製:A.a.を37℃,嫌気条件下で培養した。遠心分離により菌体を集め,洗浄後に凍結乾燥した。乾燥菌体からホットフェノール法でLPSを抽出し,減圧濃縮と凍結乾燥を行い、粗製LPSを得た。再溶解した粗製LPSを超遠心処理と透析を行った後,超遠心処理を繰り返し,精製LPSを得た。乾燥菌体約1gあたり70mgのLPSが得られた。エンドトキシン定量システムにより約153倍に精製されたことを確認した。 P.g.プロテアーゼの精製:P.g.を37℃で嫌気培養した。培養上清を遠心分離で回収し,硫安塩析(80%飽和)を行った。沈渣を回収し,透析を行った。遠心分離を行った後,上清を陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて分画した。なお,プロテアーゼの活性は,benzoyl-L-Arginine-p-nitroanilideを基質として測定した。酵素は,培養上清より約580倍に精製され,酵素活性の回収率は18%であったが,依然として不純物を含んでいる。 平成15年度は,精製したLPSをラット歯肉溝に濃度と期間を変えて投与し,ヘマトキシリン・エオジン染色で炎症性細胞浸潤の出現が最も著明となる条件を検討する。また,P.g.プロテアーゼの精製を継続するが,精製しても凍結保存すると経時的に失活が起こることが知られている。そのため,場合によっては精製を断念し,A.a.ロイコトキシンやP.g.線毛などの他の細菌由来物質を精製してラット歯周病モデルの確立に使用することとする。
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