2003 Fiscal Year Annual Research Report
実験的歯牙移動時の骨細胞のアポトーシスと周囲骨基質の変化に関する分子生物学的解明
Project/Area Number |
14771191
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
浜谷 明里 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (30337034)
|
Keywords | 骨細胞 / 骨改造 / MMP-13 / 歯の移動 / メカニカルストレス / アポトーシス |
Research Abstract |
実験的歯牙移動時にアポトーシスが生じる骨細胞周囲の骨基質の変化、さらに局所で直接的な影響を与えるサイトカインの関与を明らかにすることを目的とし、骨中の有機成分の分解に重要な役割を果たしていると考えられているMMP-13の局在および骨改造への関与を解明するための実験を引き続き行った。昨年度のIn vivoでの実験結果をもとに、骨細胞様細胞株MLO-Y4細胞を用い、圧迫力を負荷する実験を行った結果、実験群ではコントロール群と比較し、MMP-13抗体に対する強い染色性が認められた。これらの結果より、圧迫がbone lining cellsと骨細胞におけるMMP-13の発現誘導に関与すると考えられる。一方、最終的には破骨細胞によって吸収あるいは、自己融解によって消失すると考えられるMMP-13陽性の骨細胞と、骨細胞に生じるアポトーシスとの関連性については、隣接切片を用い免疫染色、TUNEL染色を行った結果、MMP-13陽性の骨細胞の多くがTUNEL反応陽性を示した。これらの結果は、実験的歯牙移動の際の圧迫により発現誘導されたMMP-13が骨吸収と密接に関わっていることの強い裏づけとなる。以後、他のコラゲナーゼ群(MMP-1,8)との定量的比較も行う予定である。種々の予備実験により、現在、骨細胞のネットワーク形成に関わる因子として、コラゲナーゼ群の他、amphoterinおよびそのレセプターであるRAGE,βactin, connexin 43に注目し、遺伝子およびタンパク質の発現および局在を検討中である。
|