2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14771205
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
林 佐智代 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (40343579)
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Keywords | 手づかみ食べ / 肘関節 / 3次元動作解析 / 手と口の協調 |
Research Abstract |
食材の位置の違いにより自食時の上肢の運動動態は変化すると考えられ、そのことにより手と口の協調動作にも何らかの影響を及ぼすと考えられる。そこで、今回は手づかみ食べにおける捕食時の上肢の肢位に着目し被験食品の位置が異なる場合について検討を行った。 1.被験食品の位置が水平方向に異なる場合:捕食時の肩関節の角度に差を認めた者が多く認められ,右側よりも左側で小さな値を示した.基準位から捕食時位までの肘の位置の変位量においては,ほとんどの者がX軸では右側よりも左側で有意に大きな値を示した. 2.被験食品の位置が前後方向に異なる場合:捕食時の肩関節の角度において有意な差を認めた者では,遠位よりも近位で大きな値を示した.基準位から捕食時位までの肘の位置の変位量においてはX軸,Y軸,Z軸ともに有意な差を示した者は半数以下であった. 3.被験食品の位置が対角線上で異なる場合 (1)遠位左側と近位右側について:捕食時の肩関節の角度において,遠位左側よりも近位右側で大きな値を示した者は半数以上であった.基準位から捕食時位までの肘の位置の変位量において遠位左側よりも近位右側でX軸ではほとんどの者が小さな値を示し,Z軸では有意に小さな値を示した者が多かったものの,大きな値を示した者も認められた. (2)遠位右側と近位左側について:捕食時の肘関節の角度で遠位右側よりも近位左側において大きな値を示した者が多く,肩関節の角度で小さな値を示した者が多かった.基準位から捕食時位までの肘の位置の変位量において,遠位右側よりも近位左側でX軸ではほとんどの者が大きな値を示し,Z軸では有意に小さな値を示した者が多かった. 被験食品の位置が遠位右側,遠位正面,遠位左側,中位左側,および近位左側の場合,捕食時の肘関節の位置は基準位から離れた位置であり,捕食に至る過程においても,より大きな運動を必要としているのかもしれない.
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