2002 Fiscal Year Annual Research Report
三次元6自由度顎運動解析装置を用いた混合歯列期小児顆頭運動の特徴
Project/Area Number |
14771211
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
西 英光 朝日大学, 歯学部, 助手 (90340083)
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Keywords | 小児 / 顎運動 / 混合歯列期 / 顆頭運動 / 滑走運動 / 因子分析 |
Research Abstract |
小児期の下顎運動時における切歯部および顆頭の運動路について、成人と小児とでは歯、歯列、咬合、顎関節形態や骨格的な違いによると思われる違いが認められ、その違いについてどのような因子が関与しているのかを検討する。 被検運動は左右側方滑走運動および前方滑走運動とした。 小児被験者は個性正常咬合を有し顎口腔系に特に異常を認めないHellmanの歯年齢IIIB期小児10名を用いた。また対照群は同様の条件を満たす成人10名とした。 混合歯列期小児と成人での切歯点および顆頭運動の違いについて、切歯点の移動量に伴う顆頭の三次元座標値(比)ならびにそのユークリッド値を用いて比較を行った。統計処理は分散分析およびt検定を用いた。 [運動計測結果] 1.側方滑走運動の検討では、切歯点は上下方向への移動が相対的に小児の方が小さかった。作業側顆頭は小児が成人よりも上下方向への移動は大きく、相対的に後上方と外側方への移動が大きい傾向が認められた。また非作業側顆頭は小児の方が成人よりも上下方向への移動が相対的に小さかった。 2.前方滑走運動について検討すると、小児の切歯点は上下方向への移動が成人よりも相対的に小さく、顆頭運動も小児は成人よりも上下方向への移動が相対的に小さかった。 3.顆頭の水平的および前後的移動に関しては、いずれの運動とも小児と成人において差は認められない傾向にあった。 これらのことは、混合歯列期小児の顎関節および周囲組織は成長過程にあり、成人と比較して関節窩および関節結節が浅いことや混合歯列期小児は成人と比べ浅い咬合関係を有するためと考えられた。 これらのことより、この考えられる因子について形態的計測を行った上で、検討を行う予定である。
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