2003 Fiscal Year Annual Research Report
各種漂白処理後のエナメル質におけるフッ素取り込み量と歯質の結晶性について
Project/Area Number |
14771212
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
犬飼 順子 愛知学院大学, 歯学部・口腔衛生学講座, 講師 (40319190)
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Keywords | 歯牙漂白 / フッ素 / 結晶性 / エナメル質 / 格子定数 |
Research Abstract |
歯牙漂白の目的で臨床応用されている材料のヒトエナメル質のフッ素の取り込みと有機質への影響について検討した。付着物を除去し清掃したヒト第3大臼歯20歯のエナメル質を削りだし、32μmメッシュが通過するようにメノウ乳鉢および撹拌器で粉砕し粉末試料を作成した。粉末試料200mgを0、7.5、15%の過酸化水素と0、225、450ppmフッ化ナトリウム溶液をそれぞれ混合した溶液に37℃で48時間浸漬した。浸漬した試料は、遠心分離機を用いて蒸留水で3回水洗し、1Mの過塩素酸で溶解し、フッ素電極を用いてエナメル質のフッ素の取り込み量を測定した。また、試料はFTIRを用いて有機物の存在を示すアミドIの1650cm^<-1>とP04基の600cm^<-1>の比のより、エナメル質中の有機物の量を相対的に測定した。ただし、1650cm^<-1>は1620cm^<-1>のOH基の影響を受けていると考えられるが、エナメル質中のOHは、フッ化物溶液および過酸化水素の影響を受けず、一定であるということを前堤に行った。結果はシェフのt-testおよび二元配置分散分析を用いて評価した。フッ化物の取り込みは過酸化水素の濃度が高いほど、またフッ素濃度が高いほど高くなった。(P<0.001)また、FTIRの結果より、有機物の相対量は過酸化水素の濃度が高いほど減少した。(P<0.05)しかし、有機物はフッ化物の濃度の違いによる有意差は認められなかった。以上の結果より、過酸化水素により、エナメル質中の有機物が溶解し、その間隙からフッ化物が取り込まれていると考えられた。以上の結果により、エナメル質中の有機物が溶解し、その間隙からフッ化物が取り込まれていると考えられた。以上の結果について51st Meeting of European Organization for Caries Researchに発表する予定である。
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