2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎における免疫病理学的機構の解析-B細胞の湿潤メカニズムの解明と病態診断への応用-
Project/Area Number |
14771219
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中島 貴子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40303143)
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Keywords | 歯周炎 / B細胞 / ケモカイン / BLC / 濾胞樹状細胞 |
Research Abstract |
歯周炎罹患歯肉組織の特徴であるB細胞湿潤のメカニズムを明らかにするため、B細胞を組織へ誘導するケモカインの発現とその産生細胞を調べた。 1.炎症歯肉サンプルの採取 慢性歯周炎患者21名、歯肉炎被験者12名よりインフォームドコンセントを得た上で歯肉組織を採取し、全RNAの抽出用と連続凍結切片作製用に供した。 2.BLCとCD21LのRT-PCR法による検出 RT-PCR法によりB lymphocyte chemokine(BLC/CXCL13)とその産生細胞である濾胞樹状細胞のマーカーCD21Lの検出を行った。その結果歯肉炎の91%、歯周炎罹患歯肉の80%でBLCが検出された。一方CD21Lは歯肉炎サンプルの55%、歯周炎組織では47%からのみ検出された。CD21Lの検出されたサンプルは、すべてBLCも陽性であった。 B細胞浸潤がわずかしか見られない歯肉炎組織で歯周炎組織を上回る率でBLCが検出されたことから、歯肉組織で発現しているBLCはB細胞以外の細胞に作用しており、一方、B細胞のリクルートには別のケモカインが関与している可能性が強く示唆された。また、BLCの産生細胞も濾胞樹状細胞以外である可能性が高いことも示唆された。 3.BLCの歯肉組織中での発現分布 BLCの歯肉組織中での発現分布、産生細胞、機能を明らかにするために、凍結連続切片を作製し、免疫組織染色を行った。B細胞浸潤の程度により歯周炎組織をグループ分けしBLCの発現を解析中である。
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