2004 Fiscal Year Annual Research Report
マンノース結合レクチンの遺伝子多型が歯周疾患に及ぼす影響について
Project/Area Number |
14771229
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
林 丈一朗 明海大学, 歯学部, 講師 (50337507)
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Keywords | 歯周疾患 / 歯周炎 / マンノース結合レクチン / mannmose-binding lectin / 遺伝子 / 変異 / 自然免疫 |
Research Abstract |
歯周疾患の発症には、宿主側の遺伝的な因子が関与していると考えられている。血清中に存在するマンノース結合レクチン(mannmose-binding lectin, MBL)は、マンノースなどの糖鎖を介して微生物と結合し、食細胞の食作用や,補体の活性化など、自然免疫において重要な役割を担っている。そして,MBLの遺伝子変異は、易感染性を引き起こすことが報告されている。そこで、MBL遺伝子の変異と歯周疾患の発症との関係、および、歯周疾患の病態形成におけるMBLの役割を明らかにすることを目的として検討を行った。 血液検体は、明海大学歯学部付属明海大学病院に来院した侵襲性歯周炎患者、およびコントロールとして健常者より採取した。末梢血から抽出したDNAより、MBLのエクソン1コドン54遺伝子に特異的なプライマーを用いてPCR法により目的遺伝子を増幅した。PCR産物を制限酵素処理後、アガロース電気泳動により遺伝子変異を検出した。MBLの血清濃度は、ELISA法により測定した。MBLと歯周病原性細菌であるPorphyromonas gingivalisとの結合はImmuno-dot Blot法により検討した。 MBLのエクソン]コドン54遺伝子の変異を有する者の割合は、健常者において27名中7名(25.9%)であったのに対して、侵襲性歯周炎患者では36名中14名(38.9%)と高い傾向が認められた。さらに,変異を有する者のうち喫煙者は,病態が重症化する傾向が認められた。また、変異を有する者は、血中MBL濃度が有意に低下していることが明らかになった。さらに、MBLは歯周病原性細菌であるP.gingivalisと結合することが明らかになった。これらの結果より、MBL遺伝子変異は、歯周疾患の発症に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)