2002 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント周囲炎に対する治療指針に関する研究 -汚染されたチタン表面の無菌化および骨再生方法について-
Project/Area Number |
14771230
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
小林 之直 明海大学, 歯学部, 助手 (40271233)
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Keywords | インプラント周囲炎 / チタン / 骨再生誘導 / 血小板血漿 |
Research Abstract |
インプラント周囲炎によって汚染されたインプラント(チタン)表面の無菌化について検討した.2頭のカニクイザルの下顎左右臼歯を抜歯し,直径3.7mm,長さ8mmの骨接合型インプラント(スクリューベントインプラント^<【○!R】>,パラゴン社)を左右それぞれ1本づつ埋入した.3ヵ月の骨接合期間の後,タービンおよび手用インスツルメンツを用いて,インプラント体の近遠心部に幅1mm,深さ2mmと,6mmの深さの骨欠損を作製し,その後,インプラント周囲にリガッチャーワイヤーを巻きプラークコントロールを行わずに炎症を惹起させた.4週間後に,汚染されたインプラント表面に対して,(1)生理食塩水による洗浄(2)30%正リン酸によるエッチング処理,(3)ルートプレーニングバー(東京歯材社)による機械的削合処置,(4)エアーフロー(クイックジェット^<【○!R】>;ヨシダ)による洗浄の4種類の方法を行い,そのチタン表面の汚染状態の違いや有効性を処置直後にサルを屠殺し,被験部位をブロックで取り出し,処置面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した.さらに,インプラント体表面に付着した物質の成分についてEPMAおよびCMAにて解析し,さらにインプラント体表面を緩衝液にて洗浄後,洗浄に用いた本緩衝液中のendotoxin量をendotoxin assay kitを用いて測定した.本検出方法によってインプラント体表面の無菌化にはどの手法が最も有効であるか検索し,それぞれの洗浄方法の到達深度,有効深度を検討した。その結果,汚染されたチタン表面は,エアーフロー(クイックジェット^<【○!R】>;ヨシダ)による洗浄が最も効果的であると考えられた。しかし,到達深度,有効深度については,有意な差は見られず,今後の検討が必要である。
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