2003 Fiscal Year Annual Research Report
BMP-2とPGE受容体作用薬の併用による新規歯槽骨再生療法開発のための基礎研究
Project/Area Number |
14771231
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
滝口 尚 昭和大学, 歯学部, 助手 (60317576)
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Keywords | 骨芽細胞 / EPアゴニスト / BMP-2 |
Research Abstract |
今までに我々は、BMP-2がヒト歯槽骨由来の骨芽細胞において、骨芽細胞分化マーカーの発現を促進することを報告した(Takiguchi et al.J Periodont Res;1998)、さらにこのBMP-2依存的な骨芽細胞分化促進作用はPGE_2により促進的に制御されることを見出した(論文投稿中)。PGE_2の骨形成におよぼす作用はその濃度や投与方法により異なる結果が報告されており不明な点が多い。一方、近年PGE受容体として4種類のサブタイプ(EP1,2,3,4)が同定され、この内EP2とEP4アゴニストはマウスの骨芽細胞の分化と骨形成を促進することがin vitro,in vivoの実験系において報告されている。昨年度に我々はEPアゴニストの単独刺激はこの細胞の分化を促進しないものの、BMP-2依存的な分化促進作用をさらに亢進することを明らかにした。そこで本研究においてBMP-2とEP2/EP4アゴニストの併用について以下の結果を得た。 (1)ヒト骨芽細胞(HOB)、マウス骨芽細胞(MOB)におけるCbfal mRNA発現をBMP-2とEP2/4アゴニストで単独または同時刺激後確認した結果、MOBはBMP-2,EP2/4単独でCbfal mRNA発現を有意に増加させた、しかしHOBは影響を与えなかった。さらにCbfalのリン酸化をwestern blottingで確認した結果Cbfal mRNA発現と同様の結果を示した。 (2)COS7細胞に異なるタグの付いたCREB(FLAG),Smad1(Myc),p300(HA)を同時に発現させ、BMP-2とEP2/4アゴニストで単独または同時刺激後、抗FLAG抗体にてCREBを免疫沈降して、western blottingを行った結果、CREBとSmad1の直接的な会合は検出できなかった。CREB/p300複合体およびSmad1/p300複合体が各刺激に応じて核内で形成されることが示唆された。さらにEP2/4アゴニストとBMP-2の同時刺激においてCREB/p300/Smad1複合体の形成が確認された。
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