2002 Fiscal Year Annual Research Report
反応中間体を動的に制御する触媒的分子間連続反応の開発と生理活性物質合成への展開
Project/Area Number |
14771239
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高須 清誠 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (10302168)
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Keywords | 連続反応 / 医薬品合成 / 共役付加反応 / アルカロイド / テルペン / 新反応 / ルイス酸 / 効率合成 |
Research Abstract |
当初の目的に従い、共役付加反応を基盤に新たなタイプの分子間連続反応の開発研究を行った。即ち、ごく単純なアクリル酸エステルやアミドから分子間連続反応を利用して簡便に生理活性物質の核となる多置換縮合環の製造法を検討した。第一に分子間マイケル・アルドール(2+2)連続反応による多環性シクロブタン化合物の立体選択合成、第二に分子間アザ・ダブル・マイケル反応による多置換ピペリドン化合物の合成法を確立した。 (1)アルミニウム系ルイス酸を触媒に多様なシクロブタン化合物を極めて簡便に製造する技術を検討した。本法では、従来まで短行程合成が困難であった化合物も単行程で作りうることを実証した。次に、不斉合成を目指して、不斉補助基を用いる間接不斉合成ならびに不斉触媒による直接不斉合成を検討した。前者では完全な立体制御下で光学活性シクロブタンの合成に成功した。後者は検討中である。また、β-ラクタム類を作るべく検討を行ったが、目的の反応は進行しないことが明らかとなった。 (2)シリル系ルイス酸-アミン混合反応剤を用いて、置換ピペリドンを迅速に合成する技術を開発した。本法で製造できる化合物群は中枢作用を示す薬剤の基本原料となりうることから、今後の展開が期待できる。実際に、インドールアルカロイドであるデプランシェインの合成法が確立できた。また、現在臨床に用いられる抗うつ剤の短段階合成法も開発した。現在は実用的な大量合成法の実現を目指している。 また、さらに付加価値の高い連続反応として3段階以上の反応が進行する多連続反応の検討が進みつつある。医薬化学的に興味のもたれるセスキテルペノイドの超短行程合成を検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 高須清誠 他2名: "Asymmetric Intramolecular Aza-Michael Reaction Using Environmentally Friendly Organocatalysis"Heterocycles. 59(1). 51-54 (2003)
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[Publications] 高須清誠 他2名: "Unusual Regioselective Intramolecular Diels-Alder Reaction Forming Tricyclo[4.3.1.0^<3,7>]decane System"Journal of Organic Chemistry. 67(9). 2881-2884 (2002)
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[Publications] 高須清誠 他3名: "Novel Intramolecular (4+1) and (4+2) Annulation Reactions Employing Cascade Radical Cyclizations Driven by the Amphiphilic Character of Vinyl Racicals"Journal of Organic Chemistry. 67(17). 6001-6007 (2002)
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[Publications] 高須清誠 他4名: "Cascade Radical Cyclization of Polyolefinic Vinyl Iodides : Comparison Between 5-exo and 6-endo Cyclization of Vinyl Radical"ARKIVOC. 3(7). 197-211 (2002)
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[Publications] 高須清誠 他5名: "One-Pot Three Step Parallel Synthesis of Antimalarial Rhodacyanines by the Combination of Three Components"Journal of Combinatorial Chemistry. (印刷中). (2003)
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[Publications] 高須清誠 他6名: "Rhodacyanine Dyes as Antimalarials. 1. Antimalarial Activity and Toxicity of Rhodacyanine Dyes"Journal of Medicinal Chemistry. 45(5). 995-998 (2002)