2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14771262
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三田村 邦子 金沢大学, 薬学部, 助手 (70242526)
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Keywords | アンドロステンジオール サルフェート / デヒドロエピアンドロステロン サルフェート / LC / MS / 安定同位体標識内標準物質 / 血清中濃度 / 前立腺肥大症 / 前立腺癌 |
Research Abstract |
ヒト血中においてデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)は主にサルフェート(S)として存在している.したがって本年度は,DHEA-S及びその主代謝物であり前立腺癌との関連も示唆されているアンドロステンジオール3-サルフェート(Adiol-3S)の定量法の開発を企て,以下の成果を得た. 1.Adiol-Sには3S体のほか17S体も存在する.そこで定量には脱抱合操作を要せず直接分析が可能で,かつ高極性物質の検出に優れるLC-エレクトロスプレーイオン化-MSを用いた.まず標品となるAdiol-3S, Adiol-17S,及び安定同位体標識内標準物質として[7,7,16,16,17-^2H_5]Adiol-3S,[7,7,16,16-^2H_4]DHEA-Sを調製した.次いでこれら及びDHEA-Sを用いLC/MS条件について検討し,各アンドロゲンサルフェートの分離条件及び至適イオン化条件を設定した. 2.ヒト血清の前処理法について検討した.その結果,除タンパク,固相抽出カートリッジ及びヘキサン洗浄のみの簡便な前処理で内因性夾雑物の妨害を受けることなく分析が可能であった.本法の絶対回収率は約80%と満足のいくものであった.また,アッセイ内・間変動はいずれも10%以下,添加回収率も90-110%と十分な値であり,本法が精度,正確度いずれにも優れた定量法であることが示された. 3.開発した定量法を用いて,健常人男性,前立腺癌患者及び前立腺肥大症患者血清中Adiol-3S及びDHEA-S濃度を測定した.その結果,Adiol-3SとDHEA-Sの血中濃度には相関性が見られた.また,高齢になるにしたがって血中濃度が減少する傾向が見られた.血中濃度と病態との関連の有無については現在精査中である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kuniko Mitamura: "Identification of dehydroepiandrosterone metabolites formed from human prostate homogenate using liquid chromatography-mass spectrometry and gas chromatography-mass spectrometry"J.Chromatogr. A. 961・1. 97-105 (2002)
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[Publications] Kuniko Mitamura: "Determination of estrogens in rat brains using gas chromatography/mass spectrometry/mass spectrometry"Chromatography. 23・2. 65-71 (2002)