2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子治療を目指した膜透過・チャンネル形成ペプチドのベクターとしての可能性
Project/Area Number |
14771267
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
和田 俊一 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (30278593)
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Keywords | ペプチド / オリゴヌクレオチド / 遺伝子治療 / ベクター |
Research Abstract |
遺伝子治療における遺伝子導入ベクターの開発を目的として本研究を行なった. 平成14年度は,ペプチドベクターのデザインと合成を行い,蛍光標識したホスホロチオエート型オリゴヌクレオチド(20mer)の細胞内導入を検討した. ペプチドベクターとして,膜親和性部位[TV-XIIa,TC-B-II或いは疎水性アミノ酸(α-aminoisobutyric acid : U)8残基を有するアミノ酸配列]と静電的にオリゴヌクレオチドと結合させる塩基性リンカー部位を考え,以下のアミノ酸配列を有する6種類のペプチド(P-1〜P-6)をFmoc固層合成法で合成した.P-1:Ac-U-N-I-I-U-P-L-L-U-P-I-K-K-K-K-K-K-K-K-K-K;P-2:Ac-U-N-I-I-U-P-L-L-U-P-I-NH(CH_2)_2N(CH_3)_2;P-3:Ac-U-U-U-U-U-U-U-U-K-K-K-K-K-K-K-K-K-K;P4:Ac-U-U-U-U-U-U-U-U-P-K-S-K-R-K-V;P-5:Ac-U-U-U-U-U-U-U-U-G-NH(CH_2)_2N(CH_3)_2;P-6:Ac-U-A-U-A-U-A-Q-U-L-U-G-U-U-P-V-U-B-E-Q-F-NH(CH_2)_2N(CH_3)_2 合成した上記ペプチドとオリゴヌクレオチドを37℃,30minプレインキュベートした後,A549,NIH3T3細胞に投与,37℃,2hrインキュベートした後,蛍光標識したオリゴヌクレオチドの細胞内取込みをフローサイトメーターで測定した.P-1をオリゴヌクレオチドの5,10,50,100モル倍率で検討したところ蛍光強度の増加が観察され,100モル倍率でもっとも高い蛍光強度が観察された.この結果はオリゴヌクレオチドが細胞内に取り込まれていることを示唆している.また,P-1は約130μMまで細胞毒性は示さなかった.その他のペプチドについては現在検討中である.これらのペプチドがオリゴヌクレオチドの細胞内導入ツールとして使用可能であるとが示された.
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