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2003 Fiscal Year Annual Research Report

新規Rasインヒビターの細胞増殖制御メカニズムの解明と細胞癌化との関連について

Research Project

Project/Area Number 14771285
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

尾崎 恵一  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (50252466)

KeywordsRas / MAPキナーゼ / FGF / フィードバック・インヒビター
Research Abstract

1種類の遺伝子からなるショウジョウバエSproutyに対して、哺乳類では.4種類のSprouty遺伝子ホモログが同定され、少なくとも4種類のアイソフォームが存在する。そのC末側には種を超えてよく保存されたCystein-rich domainが存在するものの、機能ドメインと考えられるN末側は各アイソフォーム間でホモロジーが低く、哺乳類Sproutyアイソフォームには機能的多様性があると考えられた。そこで、4種類の哺乳類Sproutyに焦点を絞り,その生物学的意義と抑制メカニズムの解明と理解をめざして以下のような研究を進めた。
【方法・結果】
各アイソフォームの機能解析のための293T細胞を用いたSprouty過剰発現系において、sprouty1〜4はすべてFGFによるERKの活性化を特異的に阻害したが、EGFによる活性化は抑制しなかった。また、アイソフォーム間で標的分子に違いが見られ、Sprouty1、4がそれぞれGrb2、Sos1と結合しやすいことが明らかになった。更に、アイソフォーム共発現系において、各Sproutyがcystein-rich domainを介してホモ、ヘテロオリゴマーを形成できることを見出し、Sprouty1、4のヘテロオリゴマーは、FGFによるERKの活性化をそれぞれのホモオリゴマーよりも強力に阻害した。また、その抑制機構は、FGFシグナルに特異的なアダプタータンパク質FRS-2(FGF receptor substrate-2)とGrb2との結合を効率よく阻害することによるものであった。
【結論】
哺乳類SproutyはERK経路の負のフィードバック因子であることを明らかにしたが、その抑制効果はFGF特異的であり、FRS2とGrb2の結合をSproutyが阻害することによって抑制効果が発現されると考えられた。また、Sprouty1と4はヘテロオリゴマーを形成することで、効率よくERKの活性化を抑制しており、標的分子のみならずSproutyアイソフォーム間においても相互作用している可能性を見出した。
ERK経路のシグナル制御系は正と負のバランスが保たれるよう複雑なネットワークを形成していると考えられるが、本研究ではその負の制御シスチムの1プレーヤーの役割の一端を明らかにしたといえる。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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