2002 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザ桿菌感染によるToll様受容体発現調節機構の解明
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14771287
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
首藤 剛 熊本大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80333524)
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Keywords | Toll-like receptor2 (TLR2) / インフルエンザ桿菌(NTHi) / KF-κB / p38MAPK / 慢性炎症性疾患 / 中耳炎 / 上皮細胞 / 自然免疫 |
Research Abstract |
1.NTHiによって誘導されるTLR2遺伝子の発現上昇におけるNF-κB活性化経路の関与 NF-κB活性化経路が,TLR2の発現調節に関与しているか否かの検討を行うため,NF-κBの核移行阻害剤CAPE, IκBαの分解阻害剤MG-132を処理し,TLR2の定量的RT-PCR法を行った.その結果,両阻害剤によりTLR2遺伝子の発現上昇が阻害された.また,NF-κB p65サブユニットを上皮細胞に過剰発現させ,TLR2遺伝子の発現上昇がみられるかどうかを検討した.その結果,p65の発現量依存的にTLR2遺伝子の発現上昇が引き起こされた.最後に,IκBα及びIKKβの変異体の過剰発現の影響を検討し,IKKβ-IκBα依存性のNF-κB活性化経路が,NTHiによって誘導されるTLR2遺伝子の発現上昇において重要であることが明らかになった. 2.NTHiによって誘導されるTLR2遺伝子の発現上昇におけるp38MAPK活性化経路の関与 p38MAPK活性化経路が,TLR2の発現調節に関与しているか否かの検討を行うため,p38MAPKの特異的阻害剤SB203580を処理し,TLR2の定量的RT-PCR法を行った.興味深いことに,SB203580の処理は,NTHiによって誘導されるTLR2遺伝子の発現上昇を増強した.また,p38MAPK及びその上流分子であるMKK3/6の野生型および変異体の過剰発現の実験より,MKK3/6依存性のp38MAPK活性化経路が,NTHiによって誘導されるTLR2遺伝子の発現上昇を負に調節していることが明らかになった. 3.慢性炎症性疾患患者(中耳炎)組織におけるTLR2の発現 中耳炎患者におけるTLR2の発現量を免疫染色法を用いて検討した.その結果,中耳炎患者における中耳上皮組織のTLR2の発現量は,健常者におけるそれに比べ,高いことが明らかになった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shuto T.: "Glucocorticoids synergistically enhance nontypeable Haemophilus influenzae-induced Toll-like receptor 2 expression via a negative cross-talk with p38 MAP kinase"J Biol Chem.. 277(19). 17263-17270 (2002)
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[Publications] Jono H.: "TGF-β-Smad signaling pathway cooperates with NF-κB to mediate nontypeable Haemophilus influenzae-induced MUC2 mucin transcription"J Biol Chem.. 277(47). 45547-45557 (2002)