2002 Fiscal Year Annual Research Report
電位依存性カリウムチャネル機能制御分子と平滑筋機能異常
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14771290
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大矢 進 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70275147)
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Keywords | カリウムチャネル / 機能制御分子 / 平滑筋 / KCNE / KChIP / RT-PCR / パッチクランプ法 / 平滑筋機能異常 |
Research Abstract |
研究では、QT延長症侯群、癲癇等の疾患に関与するKCNE、KChIPのようなK^+チャネル機能制御分子とそれらにより機能修飾を受けるKCNQ、ERGK^+チャネルαサブユニットの消化管平滑筋における発現分布、機能的役割を同定するとともに、イオンチャネル制御能を有するCa^<2+>結合タンパク質の各種消化管平滑筋における発現分布を検討した。また、門脈平滑筋に発現するCa^<2+>活性化C1^-チャネル、KCNQ、ERGK^+チャネルとそれらの機能制御分子を同定し、自動運動への寄与について検討した。 ラット胃平滑筋には心筋において重篤な不整脈に関与するKCNQ1/KCNE1、ERG1/KCNE2複合体が発現しており、それらの抑制薬により脱分極することを示した(研究発表参照)。また、消化管平滑筋においてCa^<2+>結合タンパク質のうち、NCS1、NVP1,3、KChIP1,3、CaBP1Lが重要な役割を果たす可能性を示した(研究発表参照)。マウス門脈平滑筋においても、KCNQ1/KCNE3、ERG1/KCNE3が自動収縮に寄与することを示し、新規KCNQ1アイソフォームを単離した(研究発表参照&論文投稿中)。また、Ca^<2+>活性化C1^-チャネルサブタイプのうちCLCA1が門脈平滑筋の自動収縮に強く関与すること、Ca^<2+>活性化K^+チャネルβサブユニットであるKCNMB1によって制御されることを示した(研究発表参照)。これらの結果は消化管機能不全や門脈血行異常症にK^+チャネル機能制御分子の発現変化が寄与する可能性を示した。さらに、GFP融合タンパク質を用いた実験により、KChIP1により早期不活性化K^+チャネル、Kv4.3の細胞膜移行や電流特性が修飾されることを証明した(研究発表参照)。今後、平滑筋機能異常に関与する疾患モデル動物を用いてK^+チャネル機能制御分子の発現変化について検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Ohya, et al.: "Molecular and functional expression of ERG, KCNQ, and KCNE subtypes in rat stomach smooth muscle"Am. J. Physiol.. 282. G277-G287 (2002)
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[Publications] N.Hatano, S.Ohya, Y.Imaizumi: "Functional interaction between KChIP1 and GFP-fused Kv4.3L co-expressed in HEK293 cells"Pflugers Arch. (Eur. J. Physiol.). 444. 80-88 (2002)
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[Publications] S.Ohya, et al.: "Electrophysiological and molecular identification of ERG channels in murine portal vein myocytes"Am. J. Physiol.. 283. C866-C877 (2002)
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[Publications] S.Ohya, B.Horowitz: "Differential transcriptional expression of Ca^<2+> BP superfamilies in murine gastrointestinal smooth muscles"Am. J. Physiol.. 283. G1290-G1297 (2002)
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[Publications] I.A.Greenwood, M.J.Miller, S.Ohya, B.Horowitz: "The large conductance potassium channel β subunit can interact with and modulate the functional properties of a Ca activated Cl Channel CLCA1"J. Biol. Chem.. 277. 22119-22122 (2002)
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[Publications] 大矢 進(他2名): "早期不活性化K^+チャネルの中枢神経系における局在とその機能制御分子の役割"生体の科学. 53. 268-275 (2002)